今週の放送内容

赤山禅院(せきざんぜんいん)
9月23日放送

比叡山延暦寺の別院、赤山禅院。第三世天台座主・円仁が中国からの帰途、船旅の安全を赤山大明神に祈り、無事帰国したことを感謝して創建されたと伝えられています。
赤山大明神は天の福禄寿、地の泰山府君(陰陽道の祖神)と同一で、万物の命運を司る神様として信仰を集めています。
十六羅漢の石仏群と秋の紅葉も有名です。

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京都 心の都へ
今週は赤山禅院を訪ねます。


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京の人が「お山」と呼ぶ比叡山。
その山麓に赤山禅院が佇みます。

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紅葉の美しさで名高いこの寺も
今は深い緑一色。


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この地は都の北東の鬼門にあたり、
拝殿の屋根には鬼門封じの猿が置かれています。
そのため、方除けの寺として知られてきました。

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境内の中央には本尊の赤山大明神を祀る神殿。
平安時代から続く、寺に神殿という不思議な組み合わせ。

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その横には地蔵菩薩が祀られるお堂があり、
神と仏が等しく敬われています。

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又、京都で最も古い七福神の寺でもあり、
表情豊かな福禄寿が参拝者の願いを受け止めてくれます。

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愛らしい福禄寿のおみくじが
鄙びた風情の山寺に彩りを添えます。


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境内に点在する小さな社や石仏。
赤山禅院は多くの神や仏に出会える庶民信仰のお寺です。

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寺院なのに神殿があり、本尊が神様という違和感。開山の高僧が中国へ天台教学を学びに行って、帰国の船旅の安全を仏ではなく神に祈った違和感。赤山禅院の境内は不思議な空間です。
平安期の仏と神の関係は、仏教側が日本の神を仏教の守護神として認めていて、たとえば最澄は延暦寺開山の時、大三輪の神を祀ったといわれています。後の本地垂迹説や神仏習合とは違った、自然な形の神と仏の共存があったようです。だから寺に神殿があってもおかしくないのだとか・・・。
また、日本の神様は恵比寿様だけで、あとはインドと中国の神様なのに、なぜか日本で親しまれている七福神。やっぱり赤山禅院は不思議なお寺です。


「天使の涙」
作曲:寿 和