
京都・心の都へ。
今週は、源光庵(げんこうあん)を訪ねます。

室町時代に建てられて以来、
洛北に暮らす人々に、禅の道を説いてきた源光庵。


曹洞宗ならではの質素な境内は、
厳しくも清らかな空気に包まれ
慎ましげに咲く紫苑(しおん)の花が、
かすかに色を添えています。

300年ぶりに修復された本堂には、
禅の世界を表すという2つの窓が待ち受けます。

4つの角を持つ「迷いの窓」を眺めれば、
逃れられない現世の苦しみを想い…。

円を描く「悟りの窓」を眺めれば、
苦しみから解き放たれた安らかな境地へ
辿り着きます。

窓に向かう人々を、内陣から
見守り続けるお釈迦さま。
数え切れないほどの祈りを、
静かに受け止めてこられました。

心がほぐれたら、源光庵にほど近い
「光悦茶屋」(こうえつちゃや)で一服のお茶を…。

鮮やかな色を帯びた生菓子が、
実り豊かな季節の深まりを教えてくれます。

風にさざめく木々も、赤く染まるのを待つばかり…。
ふと歩を緩め、空を仰ぎたくなる、都の旅路です。




