
京都・心の都へ。
今週は、実相院(じっそういん)を訪ねます。

かつて、皇族の人々が住職を務める
寺として名を馳せた、実相院。

大宮御所の一部をそのまま移築したという客殿は、
300年もの時を経てなお、当時の壮麗さを留めています。

広間に飾られた襖絵は、
ここに暮らす女院たちの心を潤してきました。
狩野派ならではの自由な描線を眺めながら、
何を想い描いたのでしょう…。

今日から特別公開されている、皇族ゆかりの寺宝。

生地を貼り合わせて作る押絵(おしえ)は、
御所に受け継がれた優美な文化を今に伝えます。


後陽成(ごようぜい)天皇が書き写したという
「仮名文字遣(かなもじづかい)」は、
日本古来の仮名の使い方を記した、貴重な文書です。


客殿を囲むのは、洛北の自然を生かした、2つの庭。

回遊式の庭を彩る木々は、
四季が移ろうごとに色を変え、
さまざまな表情を織り成します。

奥へ進めば、高貴な人々が蹴鞠に
興(きょう)じた枯山水の庭。
華やかな記憶が息づく、実相院です。



