今週の放送内容

岩船寺(がんせんじ)
12月16日放送

729年、聖武天皇の勅願で行基が建立したと言われ、鎌倉期に荒廃したが、江戸期に徳川家の寄進で修造された。1442年に建立された三重塔は平成15年に化粧直しを終え、昔日の姿を甦らせた。内部壁画も復元され、絢爛たる極彩色に満たされている。
本尊の阿弥陀如来は946年の作で制作年の分かっている阿弥陀仏では我が国最古のもの。
また、花の寺として知られ、紫陽花、三椏、躑躅、睡蓮、紅葉と四季折々の花が楽しめる。 岩船寺から浄瑠璃寺までの道には多くの石仏が点在し、散策コースとして人気を集めている。

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今週は岩船寺を訪ねます。


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奈良県に近い当尾(とうのお)の里に建つ古刹・岩船寺。


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山門を入ると鮮やかな朱の三重塔が現れます。


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三年前に修復され、 古の人々が想い描いた浄土世界が甦りました。


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目を凝らすと邪気から塔を守る天邪鬼(あまのじゃく)が
隠れています。


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ひっそりとした境内には
鎌倉時代の石塔や石仏、不動明王像などの
重要文化財が点在し、
鄙びた山寺に彩りを添えています。


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本堂に祀られる阿弥陀如来像は、
平安初期に作られ、 阿弥陀仏としては
最も古いものと言われています。

一本のケヤキから作られた
高さ3メートル近い大きなお姿は、
圧倒的な存在感と人々を包み込むような
優しさに溢れています。

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仏を守る厳しい表情の四天王像。
静けさの中、豊かな仏教美術が息づく岩船寺です。


撮影は十二月の中旬に行いましたが、暖冬の影響でしょうか、まだまだ紅葉が綺麗でした。 それにしても、阿弥陀様の大きさにはびっくりします。十年近く仏像を撮影していますが、このスケールは初めてです。前に立つと、その大きさゆえの優しさと力強さに圧倒されます。もうひとつ驚いたのは、山門下に何気なく置かれている岩風呂。2bほどの岩を綺麗にくりぬいて水槽に仕立ててあります。気の遠くなるような大変な作業だったのでは思いました。
山門下には、付近で採れたカラシや春菊などの野菜や手作りの草餅が売られています。京都市内の寺とは違ったのんびりとした気分が楽しめます。


「A Piece of Heaven」
作曲・演奏者:Maia