今週の放送内容

聖護院(しょうごいん)
1月20日放送

聖護院は、1090年、白川上皇の護持僧である増誉大僧正が上皇より賜ったのが始まりです。 その後、後白河天皇の皇子、静恵法親王が宮門跡として入寺し、それ以来明治維新までの間、37門主のうち、25代は皇室より、12代は摂家より門主を迎えました。
1788年(天明8年)、御所の火災の際には光格天皇が聖護院に避難され、そのまま3年間仮皇居として定められました。宸殿上段の間が、当時政務を行った場所です。また、1854年(安政元年)の御所の火災の際にも孝明天皇の仮皇居となり、この由緒をもって「聖護院仮皇居」として史蹟に指定され、現在もゆかりの品が数多くのこされています。
本尊は、平安時代に造られた不動明王。寝殿は、狩野派によるものなど170面にもおよぶ襖絵で飾られています。

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今週は聖護院(しょうごいん)を訪ねます。


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聖護院は、およそ900年前に創建された
天台宗の門跡寺院です。

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門主のほとんどを皇室より迎え、 また、2度にわたって
仮皇居となるなど皇室と縁の深いお寺です。


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御座所から見える優美な鳥の襖絵。
寝殿は、170面にもおよぶ襖絵で飾られています。
歩き進むにつれて異なる絵が出てくる様は、まるで迷宮のよう。

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平安時代に作られた本尊、不動明王。
お寺の長い歴史が刻まれています。


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女院の御殿だったものを御所より移築したという書院。
中に入ると、蝋燭の明かりで、影がゆれる風雅な透かし彫り。
350年前のガラスなど、格式の高さを感じるしつらいが随所に見られます。

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聖護院の寺領では、昔、良質な野菜が作られていました。
ここ一平茶屋では、その聖護院かぶらで作った かぶら蒸しをいただくことができます。

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舌の上でとろける味わいに、疲れも癒される冬の旅です。


聖護院は、車どおりの多い大きな通りから少し入ったところにあります。今では街の真ん中といった雰囲気ですが、明治までは、お寺の周囲には「聖護院の森」と呼ばれるうっそうとした森林が広がっていたそうです。そのため、聖護院の別名は「森御殿」というとか。有名な八ツ橋や聖護院大根は、この聖護院の森で作られたことからその名前が冠されたとのこと。一般の方には、お寺の名前よりもしかしたら八ツ橋の名前の方が有名かもしれませんが、番組でも紹介したとおり、聖護院は皇室との縁の深さを感じる美しいお寺です。1ヶ月ほど前に申し込めば拝観できますので、先の予定が立てられる方は一度行かれてみてはいかがでしょうか。


「雪中蓮」
作曲者:黄敏
演奏者:ウー・ファン