今週の放送内容

常寂光寺・厭離庵
(じょうじゃくこうじ・えんりあん)
4月21日放送

常寂光寺は、日蓮宗本山本圀寺の日禎(にっしん)上人が、1595年豊臣秀吉が行った方広寺大仏供養の際、「受けず施さず」という「不受布施(ふじゅふせ)」の教義を守って出仕せず、小倉山に隠棲したのが始まり。静寂で清らか、仏の住む永遠の浄土「常寂光土」の趣が感じられると、その名がつけられたと言われている。藤原定家が小倉百人一首を編纂した場所とされる山荘「時雨亭」跡が境内に残る。

常寂光寺近くに建つ厭離庵は、藤原定家の山荘があった場所とされ、荒れ果てていたものを、江戸時代に冷泉家が修復し、臨済宗天龍寺派の寺院となった。この寺にも藤原定家が小倉百人一首を編纂した場所という言い伝えが残り、大正時代に茶室として建てられた「時雨亭」がある。

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今週は常寂光寺と厭離庵(えんりあん)を訪ねます。


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いにしえより歌に詠まれた小倉山。
その懐に静かに佇む常寂光寺です。

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仏のすむ永遠の浄土、常寂光土(じょうじゃっこうど)を思わせる佇まいから
その名がつけられたといいます。

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色鮮やに描かれた花天井。
花の香に包まれているような気がしてきます。

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藤原定家は小倉山の山荘・「時雨亭」で百人一首を編んだとされています。
しかし、時雨亭の本当の場所は今も謎です。


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「常寂光寺」のほど近く、小道の奥にひっそりと建つ厭離庵。

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寺の片隅には、定家が筆を洗ったという井戸が今も水をたたえています。


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ここも「時雨亭」があったとされる伝説の場所です。


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明り取りから差し込む光が静寂を引き立てます。


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いにしえの謎に心めぐらせる嵯峨野の散策です。


秋の紅葉の寺として名高い常寂光寺ですが、名前の由来でもある「常寂光土」、その趣が感じられるのはまさにこの時期!とおっしゃるのは副住職。なるほど境内を見渡せば、山桜の花びらが舞い、あちらこちらに美しい花が咲き、清らかな水が流れ、みずみずしい青紅葉が見られます。副住職のお言葉に納得!
紅葉のシーズンにくらべると訪れる人も少ないので、この時期オススメのお寺ですよ!

今回ご紹介したもう一つのお寺、厭離庵は、両脇を民家に挟まれた小道の奥にあります。私も迷いましたが、きっと皆さんも迷ってしまわれることでしょう!でも是非行ってみて下さい。昨年9月に入山されたばかりの若々しく優しいご住職に会えますよ。


「Valsa」
作曲・演奏者:野崎良太