今週の放送内容

常照寺(じょうしょうじ)
6月16日放送

1616年、法華経の信者だった本阿弥光悦から土地の寄進を受け、日蓮宗中興の祖と言われる日乾上人が創建。 1627年、学問所・鷹峯檀林を設置し、数百人の僧が学んだが、明治になって檀林は廃止された。 日乾上人に深く帰依した吉野太夫は、その証としてわずか23歳の時、莫大な浄財を投じて吉野門を建立した。 今も4月に、太夫を偲ぶ花供養が営まれ、現役の島原の太夫を招いての太夫道中や野点が行われ、毎年多くの人が訪れる。
桜や紅葉の名所としても名高い。

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今週は常照寺を訪ねます。


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洛北・鷹が峯に佇む常照寺。


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心地よい新緑の参道を進むと、朱塗りの門が迎えてくれます。
この門は江戸時代、一世を風靡した遊女・吉野太夫が
    寄進したものです。

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太夫は度々この寺に参拝し、
人としての道を法華経に求めたと言われています。


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茶室の大きな丸窓は、太夫が愛した吉野窓。


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女性でありながら深い教養を持ち
中国にまでその美しさを知られた吉野太夫。


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境内には太夫の艶やかな面影を思わす
初夏の花が咲き競っています。

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三十八歳の若さで生涯を終えた、
美しい人に思いを馳せる常照寺です。


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江戸時代からの京菓子の老舗・長久堂。


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創業以来受け継がれている
練り羊羹を求肥で巻いた伝統の銘菓、「きぬた」


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職人の心と技が生む初夏の京菓子。


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常照寺に咲く
鉄線の美しさが鮮やかに甦ります。


最近TVCMでも耳にする吉野窓。嵯峨野の祇王寺にも大きな吉野窓があります。 
祇王寺は外側に蔓で組んだ格子があったと思いますが、常照寺には何もなく、丸い空間が広がっています。他の寺にもあった記憶があるので、吉野窓を見に行く旅も楽しいかもしれません。
ところで今回の吉野窓、よく見ると下部が直線で切り取られていて完全な円ではありません。仏教では円は完成された悟りを表わし、一部を欠いた円は完成されていない自分の姿を見て自分を戒めるという意味があるそうです。そんな難しい話は別にしても、吉野窓は魅力的で、日本の美の代表的なものの一つだと思います。


「MOTHERS OF THE DESERT」
作曲・演奏者:MOYA BRENNAN