
今週は金剛王院(こんごうおういん)を訪ねます。

伏見に建つ醍醐寺の塔頭、金剛王院。
地元では親しみを込めて一言寺(いちごんじ)と呼ばれています。

山門脇には市の天然記念物に指定されるヤマモモの古木。
間もなく実が赤く熟して、華やかな装いに変わります。


ひっそりと咲く紫陽花が
鄙びた風情の寺に彩りを添えています。

懐かしさを憶える境内。
訪れる人も少なく、時がゆっくりと流れています。

大きな絵馬や華麗な彫刻に目を奪われる本堂には
一言寺の名の由来となった千手観音が祀られています。


秘仏の観音様は、たくさんの願い事は聞き入れず、
一言だけなら叶えてくださるといいます。
そこから一言寺と呼ばれるようになりました。

申し込めば拝観できる地蔵堂には、江戸時代の地蔵菩薩像。
鮮やかな色が残る美しい仏様です。

寺の名に因んだ芳治軒(よしじけん)の一言餅(いちごんもち)は
地元の人たちの、この寺への篤い信仰を物語っています。



