今週の放送内容

南禅寺(なんぜんじ)
7月14日放送

臨済宗南禅寺派の大本山・南禅寺は、鎌倉時代、風光明媚なこの地に離宮を営まれていた亀山天皇(上皇)が突然出家して法皇となられた為、1291年に大明国師によって開山されたのが始まりです。
足利義満の時代、臨済宗の格付けを表す「京都五山」で上位に位置したこの寺は、五山文化の中心として栄えました。応仁の乱以降は衰退しましたが、江戸初期には再興を果たし、巨大な三門など、多くの文化財を今に伝えています。
この寺発祥の地である離宮跡に建つのが南禅院です。庭園は夢窓国師の作とされ、鎌倉時代末の代表的池泉回遊式庭園で、離宮当時のおもかげを残しています。

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今週は南禅寺を訪ねます。


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閑静な禅の空間に、重厚な佇まいを見せて建つ南禅寺三門。
「京都五山」の上位として君臨したこの寺は、
鎌倉時代、亀山天皇によって開かれました

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豊かな自然が残る境内。
この境内を貫いて流れる水路があります。


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水の流れをたどって歩みを進めると・・・


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木立の奥にレンガ造りのアーチが見えます。


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明治時代、水の少ない京都に琵琶湖の水を引くため造られた水路です。


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流れる水は、今も京の人々の暮らしを潤します。


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時を経てしっとりと景色に溶け込むアーチ。


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さらに奥に進むと、小さなお寺があります。
ここは亀山天皇が離宮を営まれた場所です。


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禅宗を深く信仰された天皇はこの地で出家し、
 離宮は禅宗の寺となりました。
         南禅寺の歴史は、この寺から始まったのです。


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水に誘われ、寺の歴史に思いを巡らせる、夏の一日です。


観光客が後を絶たない南禅寺の三門。歌舞伎「楼門五三桐」で、「絶景かな絶景かな」と盗賊、石川五右衛門が見得をきることで有名ですが、五右衛門が生きた時代、実はまだこの三門は存在していなかったそうです。この話がフィクションとはいえ、三門から見る景色はまさに絶景。残念ながら番組の中ではご紹介出来ませんでしたが必見です!
自然の残る広大な境内は拝観自由なので、早朝から散歩の人が絶えません。撮影当日も初老のご夫婦が三門に腰掛けて一休み。境内の緑を静かに眺める二人の後姿がまるで映画のワンシーンのようで、しばし撮影を忘れて見入ってしまいました。うっそうと茂る緑が美しい境内、早朝の散歩はオススメです!


「愛の不安」
作曲・演奏者:Vinicius de Moraes・中島ノブユキ