
京都心の都へ 今週は化野(あだしの)念仏寺を訪ねます。

雨上がりの緑が映える、初秋の嵯峨野。
鳥居本(とりいもと)の古い家並みが瑞々しい空気に包まれています。

風情ある石段を登った先に、およそ一一OO年前、
弘法大師によって創建された化野念仏寺があります。

ご本尊は、鎌倉時代に作られた阿弥陀仏座像。
洗練された優雅な顔立ちが印象的な 湛慶(たんけい)の秀作です。


境内にはおよそ八千体の無縁仏(むえんぼとけ)となった石仏が祀られています。
何百年という歳月を刻んできたであろう仏様の数々。
安住の地を得て、肩寄せあうように静かに佇んでいます。


山間(やまあい)の古刹に時を知らせる鐘が響き渡ります。

古来この地は、愛する人との永遠(とわ)の別れを悲しんだ場所。
お地蔵様はそんな人々をやさしく癒してきたのでしょう。

嵯峨野がすこしずつ秋色に染まってきました。



