
今週は桂春院を訪ねます。

織田信長の孫により創建された妙心寺の塔頭・桂春院(けいしゅんいん)。

境内は深い緑に覆われ、木洩れ日が苔の美しさを際立たせます。

江戸時代に再建された方丈の内部を飾るのは狩野山雪(さんせつ)の襖絵。

金箔に松が大胆な構図で描かれています。

対照的な山雪の水墨画。
禅寺ならではの落ち着いた風情を醸し出します。


高い木々に囲まれた思惟(しい)の庭は茶室への露地庭。

飛び石を進むと門の先は侘びの庭へと続いてゆきます。

妙心寺では一時期、茶の湯が禁じられました。
そのため僧侶たちは気づかれないように工夫した
隠れ茶室を作りました。

この寺には書院の背後に二重の襖で巧みに隠された
茶室・既白庵(きはくあん)が残されています。

厳しい修行に明け暮れる禅僧たちの密かな楽しみ。
隠れた茶会の様子が目に浮かぶ桂春院です。



