今週の放送内容

石峰寺(せきほうじ)
2月2日放送

伏見稲荷の南に建つ竜宮造の赤い山門を持つ石峰寺は、1713年万福寺の千呆禅師が禅道場として創建した黄檗宗寺院。現在の本堂は、昭和60年に再建された。
寛政年間に画家・伊藤若冲が境内に草庵を結んだことから若冲ゆかりの寺として知られ、墓と筆塚、絵画数点が残されている。
裏山には若冲が下絵を書いた五百羅漢像が並び、誕生から涅槃までの釈迦の生涯を表している。禅宗に傾倒し、酒や遊興、妻帯をせず、作画と仏の修行に励んだ若冲ならではの世界がひろがる。

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今週は石峰寺を訪ねます。


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伏見・深草に雪が舞っています。


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赤い山門が印象的な石峰寺は、江戸時代の半ばに
黄檗宗の禅道場として創建されました。


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この寺は禅宗に傾倒した画家・伊藤若冲が
晩年、境内に庵を結んだことから
若冲ゆかりの寺として知られています。


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好んで描いたニワトリなど、寺に残された絵が
九月十日の若冲の命日に公開されます。


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本堂の裏手には、若冲が下絵を書いて
十年以上にわたって彫られた おびただしい数の石仏たち。
一つとして同じ表情はありません。

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この石仏たちは、天を指差す誕生から
全ての生き物が悲しんだ涅槃までの
釈迦の生涯を現す五百羅漢です。

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雨風にさらされ、丸みを帯びた石仏が、
石とは思えない温もりを感じさせる石峰寺です。


この番組が始まった頃は、若冲の名は殆ど知られていませんでしたが、ここ4・5年、急に脚光を浴びるようになりました。 昨年、相国寺で開かれた「若冲展」に、仕事の合間をぬって行って見ると、なんと3時間待ちの大行列! 残念ながら入場を諦めましたが、すごい人気です。
そんな若冲ゆかりの石峰寺は、五百羅漢の石仏の多さに圧倒されます。 じっくり鑑賞しようと思ったら半日は必要。この石仏は、長い時間の中、雨や風に洗われて表面が丸みを帯び、さらに苔むして、こけしの顔にも似た柔らかな表情になっています。 若冲が作り上げた時は、おそらく現在とは印象の違った石仏だったのでは…と思うのですが。
異才の画家・若冲は、もしかすると、こうなることまで計算済みだったのかもしれません…!?


「SURF MOON」
作曲・演奏者:狩野泰一