
今週は西大寺を訪ねます。

奈良時代、平城京の西側に称徳天皇によって建立された、西大寺。


最盛期は、東の東大寺にも引けを取らないほど栄えていました。
東塔の跡が、その栄華を今に伝えます。


京都の醍醐寺で修行を積んだ叡尊上人は、
鎌倉時代この寺の再興に努めました。

戒律を重んじ、苦しむ人々の救済に尽力した上人は、
この寺の本尊として釈迦如来立像を安置しました。


お釈迦様37歳の姿を写したと言われる京都清凉寺の釈迦如来立像。
それを模して作らせた仏さまのお顔は、
いっそう穏やかになり、叡尊上人の心を表すようです。


上人の念持仏愛染明王坐像は愛着の煩悩を清める仏様。
厳しいお顔で愛を諭す姿は、上人そのものだったのかもしれません。


叡尊上人の思いが今に伝わる西大寺です。

西大寺を建立した称徳天皇は、東大寺を建てた聖武天皇の娘。東の大きな寺・東大寺に対して、西の大きな寺・西大寺を作ったんだそうです。だから境内も広く、最盛期の面積は48haにも及んだそう。時が流れ、お寺の規模は縮小したとは言うものの、今でも十分当時の面影を残しており、境内はとても広々としていて、気持ちがいいんです。



