今週の放送内容

西大寺(さいだいじ)
12月20日放送

西大寺は765年に称徳天皇が鎮護国家と平和祈願の為に7尺の金銅四天王像の造立を発願されたことに始まり、創建当初は百十数宇の堂舎が並ぶほど栄華を極めていました。現在は鎌倉時代に復興した叡尊が始めた「大茶盛」という茶儀でも有名です。

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今週は西大寺を訪ねます。


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奈良時代、平城京の西側に称徳天皇によって建立された、西大寺。

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最盛期は、東の東大寺にも引けを取らないほど栄えていました。
東塔の跡が、その栄華を今に伝えます。

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京都の醍醐寺で修行を積んだ叡尊上人は、
鎌倉時代この寺の再興に努めました。


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戒律を重んじ、苦しむ人々の救済に尽力した上人は、
この寺の本尊として釈迦如来立像を安置しました。

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お釈迦様37歳の姿を写したと言われる京都清凉寺の釈迦如来立像。
それを模して作らせた仏さまのお顔は、
いっそう穏やかになり、叡尊上人の心を表すようです。

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上人の念持仏愛染明王坐像は愛着の煩悩を清める仏様。
厳しいお顔で愛を諭す姿は、上人そのものだったのかもしれません。

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叡尊上人の思いが今に伝わる西大寺です。


写真 西大寺を建立した称徳天皇は、東大寺を建てた聖武天皇の娘。東の大きな寺・東大寺に対して、西の大きな寺・西大寺を作ったんだそうです。だから境内も広く、最盛期の面積は48haにも及んだそう。時が流れ、お寺の規模は縮小したとは言うものの、今でも十分当時の面影を残しており、境内はとても広々としていて、気持ちがいいんです。

さて、撮影当日は日の丸がバサバサと音を立てて激しくはためくほど、強い風が吹いていました。奈良市内を俯瞰から撮影しようと高い所に登るとカメラがグラグラ…

西大寺の境内でも、枯葉が巻き上げられ、撮影用のクレーンも高い所に持ち上げると風にあおられてしまうほど。雲の流れも速く、日が差したり陰ったり。さらに、東塔跡はちょうど人の背の高さくらいあるので、向こう側が見えません。クレーンを使ってカメラをあげると・・・参拝のお客さんが映ってしまったり…全てのタイミングが揃うのを辛抱強く待っての撮影となりました。でも、おかげで広々とした境内と空が美しい西大寺の魅力を映像に収めることができたのではないかと自負していますが、いかがでしたでしょうか? 写真 写真


「MAD WORLD」
作曲者:Roland Orzabal
演奏者:GREGORIAN