今週の放送内容

河井寛次郎記念館
(かわいかんじろうきねんかん)
3月14日放送

陶芸家・河井寛次郎(1890〜1966)の作品が展示されている記念館。自ら設計し、家具・調度品もデザインしたものが並ぶ元住居兼仕事場であったこの建物をはじめ、彼の制作した木彫りや詩など、彼の多才ぶりに触れることができます。

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今週は河井寛次郎記念館を訪ねます。


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東山・五条坂、ここに「土と炎の詩人」といわれた
陶芸家・河井寛次郎が住まいとしていた家があります。

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懐かしさと温もりを感じるこの家は、寛次郎自身の設計によるもの。

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さりげなく並べられた作品が生彩を放ち、
居心地の良い空間を作り出しています。

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寛次郎は、明治23年、島根県に大工の棟梁の子として生まれました。


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幼い頃から育まれた美意識が凝縮されたこの家は、
家具や調度品も、そのほとんどが彼のデザインによるもの。
日々の暮らしを大切にし、そこに美を見出した寛次郎の心が
息づいています。

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中庭の奥にある陶房。

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76歳でその生涯を閉じるまで、およそ半世紀。
高い技術を元に、色彩豊かな多くの作品を、ここから生み出しました。

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その先には、斜面を利用した登り窯。
炎によって土に命が吹き込まれる瞬間…
その感動が、今もここに宿っているようです。

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写真 陶芸作品は言うまでもありませんが、この記念館は全てがェ次郎の作品です。
今回はご紹介できませんでしたが、囲炉裏を囲んで置かれた椅子は餅つきの臼を利用して作ったもので、発想もデザインも斬新。
それに、ひっくり返すと裏に木のキャスターが付いていて動かせるようになっているんですよ!
今ならキャスター付きの椅子は珍しくありませんけど、お家が造られたのは昭和12年、お洒落なのに使いやすさもしっかり考えられているなんて、スゴイ!
こんな家具や調度品があちらこちらに置かれていて、見所満載です。

写真 1Fには囲炉裏の間を中心にして、台所(今は受付になっていて残念ながら見ることが出来ません)、家族の居間と食堂、2Fには吹き抜けを囲んで書斎や寝室などのプライベートなお部屋があります。
家族みんなが心地よく暮らし、訪れた人がゆったりと楽しめるように、すみずみまで計算されていている本当に居心地の良いお家(作品)です。

お庭にある丸い石は、ゴロゴロ転がして自由に動かせるもの。ェ次郎があちらこちらに動かして最後に落ち着いたのが今ある場所だそうです。
さりげなく置かれているので、こちらもお見逃しなく!


「After the rain」
作曲・演奏者:松本 泰幸