今週の放送内容

黄梅院・興臨院(おうばいいん・こうりんいん)
3月21日放送

黄梅院と興臨院は、どちらも通常は公開されていませんが、春と秋に特別公開されています。千利休にゆかりの深い大徳寺の塔頭だけに、黄梅院には武野紹鴎作の茶室「昨夢軒」や、千利休作庭の「直中庭」が、興臨院にも涵虚亭(かんきょてい)と呼ばれる茶室があり、茶道が完成したと言われる安土桃山時代の趣が感じられます。

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今週は黄梅院と興臨院を訪ねます。


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大徳寺の塔頭、黄梅院は、
織田信長の命を受けた豊臣秀吉によって建てられました。


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日本で一番古い禅宗式の庫裡からは、当時の暮らしが伝わります。

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本堂の裏には、滝から流れる水が表現された「作仏庭」。
お堂に沿って流れるその川を、宝舟を模した石が進みます。

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千利休の師、武野紹鴎が作った茶室は、
彼が始めた侘び茶の心を表すひなびた風情です。

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利休66歳の時に作った庭「直中庭」。
秀吉の軍旗、瓢箪をかたどった池など、
随所に戦国武将の精彩を感じることができます。

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また、同じく塔頭の興臨院は、加賀前田藩の菩提寺です。


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室町時代に建立された本堂の前には、
蓬莱世界を形にした庭が広がります。


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不老長寿への願いが込められた庭に、
明るい春の日差しが注ぎます。


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暖かな陽気に誘われ、趣の異なる庭を巡る京都の春です。


今回は、春の特別公開のお寺で、お庭を中心にご紹介させていただきました。
そのために番組ではご紹介できませんでしたが、黄梅院の本堂には、雲谷等顔の襖絵(復元)があります。
その本堂の床が、とにかくピカピカに磨かれていてキレイなんです。
お庭の木も襖絵も床に映って、すべて倍のスケールで楽しめます。
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写真 また、こちらのお寺には、ご住職が飼っているネコがいます。

そのかわいさと言ったら、猫派ではない私でも、思わずキュンとしてしまうほど。
というのも、私が下見のためにお寺を見て回っている間、ずっと付いて回ってきて、影からこちらの様子を伺っているんです。
しかも、しっぽで手を隠して立っている姿が、どことなく上品!あまりの可愛さにパチリ、写真を撮ってしまいました。



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黄梅院のお庭は、理想的な蓬莱世界を表現したというだけのことはあり、緑と石組みがとても見事でした。
ポカポカした春の日だったら、ずっと座って眺めていたくなるほど。
しかも、五月になるとつつじが咲き、一味違った華やかなお庭になるんだそうです。ぜひ、お出かけ下さい。


「楽園」
作曲・演奏者:中村 幸代