
京都心の都へ 今週は鞍馬寺を訪ねます。

京都の北に鎮座する鞍馬山。
この山に伝わる霊山信仰と、
仏教が結びつき創建されたのが鞍馬寺です。

幾重にも曲がった参道を、
清少納言は「近くて遠きもの」と言い表しました。
本殿へ続く道は、森の息吹に溢れています。


平安以降、この寺は、
京都の北側を守る役割を担ってきました。

かつて本尊として崇められていた毘沙門天。

はるか都を望むように左手をかざし、
睨みを利かせる形相に頼もしさを感じます。

鞍馬寺は、源義経が牛若丸と呼ばれた
幼い日々を過ごした寺。
地表を這う木の根をぬって武術の鍛錬に励んだのは
父の敵(かたき)である平家打倒のため。

牛若丸に武術を教えたという伝説が残る鞍馬天狗。
大地の力を象徴する護法魔王尊として、
今も大切に祀られています。

山の力に全てが育まれる鞍馬寺です。

山自体が御神体という鞍馬山は手つかずの自然が残っていて、そこに住む小さな命を大切にするよう説いています。山には、多くの種類の鳥や虫、そして猪や鹿などの動物が住んでいます。

