ママノチエ Vol.2

おしえて!ママノチエ おしえて!ママノチエ ママになっても「夢」を描こう クリティカル・シンキングで決める5年後のわたし

時間がない、時間がない、時間がなーい!
そんな毎日を送るママは多いのではないでしょうか。 家事に育児に、そして仕事。飛ぶように一日が終わっていきます。
特に職場復帰して1年目は、もうそれだけで、めいっぱい。
でも、2年が経ち、3年が経つと、
「ちょっとこんなこともやってみたい」、そんな思いがむくむくと・・・。
そこで!そんなママたちの悩みを解決する講座が
都内で開かれるというので、ママモコモが潜入してきました!




子どものためのクリティカル・シンキングプロジェクト「Wonderful☆Kids」
狩野みき先生

2児の母。慶應義塾大学、聖心女子大学などで、英語講師として活躍。
 教べん歴20年。英語関連の著書多数。
子どもの考える力を伸ばすスクール「Wonderful☆Kids」」主宰。



会場には、3月末の春の嵐をものともせず、仕事を持つママ約15人が集まっていました。
講座のタイトルは「クリティカル・シンキングによる人生の決断」。
皆、真剣なまなざしです。


<ママモコモcheck!>まず、「クリティカル・シンキング」ってなに?
思考法の一つ。「考え方のコツというか、シンプルに言うと、
いかに自分で考え、周りに流されないかということです」(狩野先生)

狩野先生 狩野先生 「みなさん、人生を振り返って、あの決断は間違いだったかな?ということが 2~3つはあるのではないでしょうか。なぜ間違ったのかをおたずねすると ほとんどの方が「よく考えなかったから」「他人の意見に流されてしまったから」と答えます。クリティカル・シンキングでは、とことん自分で考えることで、その時その時の決断を、より確かなものにしていくことができるんです」



参加者が用意したのは「紙」と「鉛筆」。

狩野先生 狩野先生 「それでは、紙の一番上に、自分が今なにについて決断したいか、なにを悩んでいるのか、または5年後にどんな自分になりたいかなど、どれか一つ、具体的に書いてください」

ここは皆さん、楽勝です。なぜなら、事前の宿題になっていたからです(笑)。
ポイントは「1つだけ」「具体的に」、しかも「肯定文で」書くこと。
(【たとえば!】ここは大きく「ミュージカルスターになる!」にしてみましょうか(笑))

次に・・・

狩野先生 狩野先生 「なぜ自分がそうしたいと思うのかを、書いてください」

なぜそうしたいのか・・・?なぜそうしたいのか・・・?
ここから参加者は頭を悩ませはじめます。
こんな感じかな?と、なんとか1つ書いてみます。
すると・・・

狩野先生 狩野先生 「書けましたか?はい。
でも、最初に出てきた答えはだいたいウソです」

・・・え?ウソ?

狩野先生 狩野先生 「人って、なぜか自分にも見栄を張ってしまうというか、そういう面があるんです。だから、その答えをさらに自問して、なぜ?なぜ?を繰り返して、本当の理由を見つけてください」

えー。そうなんですか?
でも・・・、いやはや、確かに言われてみれば・・・。

(【たとえば!】「ミュージカルスターになる!」であれば、
最初に浮かんだ理由は「多くの人を楽しませたいから」←これがウソ??
 →だとすると、「わが子に楽しんでもらいたいから」かな?
 →いや、「単に自分が目立ちたいから」かな??)

そうして、苦しみながら、皆が「これかな?」というものを見つけたところで、
次!

狩野先生 狩野先生 「では、今度はその自分の欲求を満たすために、どんな手段があり得るのかを5つ以上書いてください」

これは結構むずかしい。
コツは、なるべく「飛躍した内容」を盛り込むようにすることだとか。
「できそうにない、私には無理!」というものも、あえて盛り込み、
思考の幅、可能性の幅を広げるのだそう。
(【たとえば!】「単に目立ちたいから」であれば、
仕事の営業成績で一番になる、はたまた、カリスマ主婦になる、もちろん、
ミュージカルスターになっても良いし、ええと、それと・・・)

狩野先生 狩野先生 「次に、その1つ1つについて、それを達成した場合の最良のシナリオと最悪のシナリオを書いていって下さい」

このあたりで、会場から、ウンウンうなる声が聞こえてきます。
「ふーん・・・」「えーっと・・・」「いや、うーん」 (煮詰まる、煮詰まる)

参加者 参加者 「先生、いいですか?」と手が上がりました。
「どれについて考えても、シナリオが全部一緒になってしまうのですが・・・(ため息)」

うっ・・・。これ、他人事ではありません。
私も自分の手元に目を落とすと、見事に同じ文面が・・・。

あちこちで頭を抱える参加者たち。
すると、狩野先生は
「ちょっと見ても良いですか?」と
紙を手に取りアドバイス。
2つ、3つのやりとりで、
皆うなずきながらパッと明るい顔。
どうやら答えがひらめいたようです。さすが先生。

クリティカル・シンキング講座では、こうした作業を通して、
さまざまな選択肢から、自分にとって現実的な選択を見定めていくのですが、
大切なのは、考えて、考えて、考え抜くこと。
考え抜いて出した結論は、たとえそれがうまくいかなくても
「あれだけ考えたのだから」と、結果を受け入れることもできるし、
さらに頑張ることもできるのだそうです。

ママモコモ代表で参加した私も、なんとか結論らしきものにたどり着くことができました。どんな結論を出したかって?
それは・・・、恥ずかしいから内緒です(笑)。
しかしながら、会場からは「海外移住を実現したい!」「独立して活躍したい!」など
聞くだけでウットリする目標があがっていましたよ!



そして、実はこの講座、
ママ向けということもあって、子連れでの参加OK!
遊ぶためのスペースも設けられていましたが、
だんだん子どもたちも飽きてくるのか、後半はママのところにやってきては
「ねえー、おなかすいたー」とか、「ママ何やってるのー?」とか(笑)。
しかし、ママたちは強し!
わが子をうまくあやしながら、しっかり講座に集中していました。




<ママモコモcheck!> ママは同時進行が得意?!
育児をしていると、同時多発的な出来事に対処する能力が上がると言われます。
会場でも、子どもたちの雄たけびにも負けず、時には相手もしながら、
参加者のママたちは、見事に、「自分の学び」を成し遂げていましたよ!


講座は、ざっと1時間半。
先生いわく、「駆け足だった」そうですが、
なにしろ普段は自分の時間を持つこと自体が難しいママたち。
「自分のためにゆっくり時間をとることは大事ですね」との感想も聞かれました。

私も「5年後の自分を見つめて頑張るぞ!」。
そんな、すがすがしくもワクワクした気持ちが湧いてきました。
(編注 【たとえば!】の内容が突拍子もなくてスミマセンでした・汗!)




教えて!ママノチエQ&A
Q.これからの時代は子どもたちも、「自分で考える力」をつける必要がありますよね。
ぜひ、家庭でできる方法を1つ教えてください。

狩野先生 狩野先生 子どもの「なんで?」を最大限に活かしてあげて下さい。親がすべてを答える必要はないんです。「なんで?って、先生に聞いてみようか」「本を見てみようか」、あるいは「なんでだろうね~。○○ちゃんはなんでだと思う?」と話し合ってみる。これだけで「考える」環境を整えることができます。わからない問題は誰に聞けばいいのかや、わからないことは本で調べられるんだという感覚も備わります。
子どもは3~4歳の頃、「なんで?」を連発しますが、「ウルサイ!」と言いたい気持ちをぐっとこらえて、やってみて下さい(笑)