夏が終わり、ひたひたと忍び寄ってきたのは・・・、そう!「食欲の秋」。
栗、サンマ、思い切って松茸! いろいろなものが食べたいですね。
でも・・・もしかして・・・、メニューを決めるのは、わたし? 作るのも、わたし?
料理はキライではないけれど、もう毎日毎日、一体何を作れば良いのやら。
そんな悩みを、ビシッと解決するコツを、ママモコモが教えてもらいました。




石田よしみ さん   フードコーディネーターであり、気象予報士でもあり、健康と気象の関係についての知識をもつ「健康気象アドバイザー」でもある。
現在、2歳の男の子のママ。
「季節の食材を生かして、簡単に美味しく!」をモットーにブログなどにオリジナルのレシピを掲載。



<ママモコモメンバー>

さんちゃん

「好物はご飯と肉」という小3男子のママ、親子でダイエットしようかな

KUNI

娘が料理に興味をもちはじめ、週末一緒に作るのが楽しみな小2のママ

kyo-ko

メニューのマンネリ化に悩み中、3歳女児のママ





kyo-ko

さっそくですが、「作ることはそれほど嫌いではないけれど、考えるのが大変」という声は私の周りでもよく聞くのですが、石田さんはメニューを考えるのは、やはり得意なのでしょうか?

石田さん

はい。私は料理を作るのはもちろんですが、「考える」のも大好きです。

ママモコモ一同

おおーーーー!

石田さん

スーパーに行くと作りたいものがたくさん頭に浮かんで、すぐにかごがいっぱいになります。例えば、ゴボウを見れば、「肉団子に入れてみようかな」「いや、チョコレートと合わせても美味しそう」とか、いつもワクワクしています。

kyo-ko

うらやましいです!その前向きな発想の仕方をぜひ知りたいです!
私は、冷蔵庫の扉を開けたまま思考停止になることもあって・・・。

「体の声」を聞いてみる

石田さん

そんなに難しいことではないですよ(笑)。食材を選ぶときは、「体がどんなものを欲しているか」、いわば「体の声」に耳を傾けるようにしています。
野菜の場合、それぞれ栄養や効用が違いますが、普段から、それを食べたときに「体が温まった」とか「元気が出た」とか意識しながら食べていると、買い物に行ったときに、天気や体調に合わせて、手に取る食材が変わってくるんです。

さんちゃん

それは、「旬」の食材を選ぶ・・・ということでしょうか。

KUNI

うちは、子どもが好きなものを優先したりして、なんだか年がら年中同じものを買っている気がします。

石田さん

そうですね。最近は一年中出回っている野菜があることも確かですよね。
でも、スーパーの売り場をよく見てみてください。
その時期にしか見かけない野菜が必ずあるはずなんです。
例えば、カブやレンコンとか。

さんちゃん

たしかに、トマトやキュウリはよく見ますが、カブやレンコンは、いつもあるわけではないですね。

石田さん

旬の食材は栄養価が高いです。
ほうれん草は一年中出回ってはいますが、旬の冬のものは、夏のものに比べてビタミンCの含有量が3倍にもなるんですよ(※「日本食品標準成分表」より)。

kyo-ko

そんなに!!それは「旬」を知らないのは損ですね。
とはいえ、一年中出回っている野菜の旬を見分けるのは難しい気も。いちいち、ネット検索するのも、ねぇ?(笑)石田さん、なにかそれほど意気込まなくても、学べる方法はありませんか?

石田さん

勉強したら疲れてしまいますよね。
お買い物に行ったときに、チャンスがあれば、売り場の人に「何が美味しいですか?」って聞いてみることをオススメします。売り場の人は、きょう並んでいる商品の中でどれが美味しいかをきっと知っていますよ。
それと「観察力」も大事です。

発揮してますか?「観察力」

KUNI

「観察力」?

石田さん

そう、「観察力」は大事です。
例えば、新鮮な魚の切り身は角がシャープだ、とか、うちの子はグニャッとした食感のものがどうやら苦手なようだ、とか、ハンバーグを焼いて水が出てしまうのはどうやら練り方が足りないときのようだ、とか、そういう「観察力」です。
お買い物にしても何にしても、ただ漫然とこなしているだけでは、次に生かせませんよね?

ママモコモ一同

うっ・・・。

KUNI

言われてみれば、子どものお皿の上をいかに片づけるかということに懸命で、実は食べている子どもの表情はあまり見ていないような・・・、ああ、なんかわかります。

石田さん

ちょっと話はそれますが、そういう意味では、うちでは「うんちほめ作戦」も有効ですよ。

ママモコモ一同

う、うんちほめ作戦???

石田さん

普段から、良いうんちが出たときに「ああ、お野菜たくさん食べたから、いいうんち出たね~」とほめているんです。
すると、子どもがトイレのたびに「お野菜食べたうんち?」などと嬉しそうに話し、食事のときにも「これ食べたら、いいうんち出る?」と、野菜をぱくぱく食べたりします。

ママモコモ一同

なるほどー!その作戦、斬新ですね!(笑)

さんちゃん

どちらかと言えばフタをしたいシーンだったりもしますけど、考えてみれば食と排泄はつながっているわけですものね。
ここでも必要なのは、親の「観察力」ですね(笑)。

KUNI

石田さん。せっかくなので一つ聞いてもいいですか?わが家の食卓なんですが、「朝はパン、卵、チーズ、トマト、キュウリ、明日もパン、卵、チーズ、トマト、キュウリ」と、つまりひたすらリピートされていて、もうこのループ感をどう払拭したらいいのか・・・。

ママモコモ一同

あー、わかる、わかる。

kyo-ko

それと、なんだかいつも同じ味付けという気がして滅入ることもあります。

「好きな味」を覚えておこう!

石田さん

それは、自分の好きな味を覚えておくのが良いと思いますよ。
いつもの酢の物にゴマを少し加えたら美味しかったとか、何かの調味料を加えたら子どもがよく食べたとか、そういうことって、意外にすぐに忘れちゃったりしませんか?成功例をいくつか覚えて、そういう経験を重ねるうちに、レパートリーって増えてくるものです。
同じ食材を使っていても、何かをちょっと変えるだけで、目先が変わりますよ。
例えば、これからの季節であれば、真鯖が安く手に入るようになりますが、塩焼きや味噌煮のほかにも、フライにしてもいいですし、オリーブオイルとにんにくでソテーしても美味しいです。
ブロッコリーも、塩ゆででも、ゴマとマヨネーズであえても、アンチョビと炒めても、カレーだれにつけて焼いてもおいしいんですよ!

さんちゃん

石田さんのお話を聞いていると、簡単そうな気がしてくるのが不思議です。

KUNI

あの、もう一ついいですか?うちの子、ずっと薄味で育ててきたんですが、小学校に入って給食になって、外で食べる機会も増えてきて、すると、味が多少濃いものは慣れないためか、むしろ嫌いなものが増えてきてしまったみたいなんです。
でも、ファストフードは食べたりするんですけど。

石田さん

あまり聞かないパターンですね・・・。でも、それは、なんとなくですが、時間が解決してくれそうな気もしますが、どうでしょうかね・・・?

ママモコモ一同

うん、うん。

さんちゃん

あのー、うちも一つ。みんな、いかに子どもに食べてもらうかということを悩んでいる人が多いと思うのですが、うちは逆で、いかに隣の人のお皿にまで手を出さないようにするかというほうに手を焼いているんですが・・・。

石田さん

うーん・・・、それは・・・。えー・・・・っと。

KUNI、kyo-ko

それは、親が体を張って止めてください!!(笑)

kyo-ko

えーっと、なんだかキリがありませんので、最後の最後に一つだけ。
石田さん、簡単にできて子どもも喜ぶ、秋冬の「旬」のオススメレシピを教えてください。

石田さん

いいですよ!私のとっておきの一品をお教えします。


「秋冬のドライカレー」

材料:4人分

  • 合びき肉=250g
  • ●蓮根=1/2連
  • ●大根=5cm
  • ●玉ねぎ=1/2個
  • ●にんじん=1/3本
  • ●エリンギ=1本
  • ●しょうが=ひとかけ
  • ●にんにく=1かけ
  • サラダオイル=大さじ1/2
  • 塩麹=大さじ3
  • カレー粉=大さじ1
  • ○春菊の茎の部分=1/2束
  • ○醤油=小さじ1
  • ○トマト水煮缶=1/2缶(200g)
  • ○塩麹=大さじ1~2程度
  • ◎エリンギ=1本
  • ◎蓮根=1/2連
  • ◎春菊の葉の部分=1/2束分
  • ① ●はみじん切りにする。
  • ② フライパンに油をひき、ひき肉と①、塩麹、カレー粉を炒める。
    弱火で蓋をせず15分。水分を飛ばすようにコトコトゆっくりと。
  • ③ ○の春菊は、5ミリくらいにカットし、ほか○の調味料と一緒にフライパンに入れ、
    中火で5分ほど煮こむ。
  • ④ ◎の野菜は適当なサイズに切って、片栗粉をつけて、中温で色よく揚げる。
    春菊の揚げ時間は1分弱が目安です。

ドライカレーは、わが家では「旬」の野菜を何でも入れちゃうんです。 冬は蓮根と春菊、春は筍とキャベツ、夏はフレッシュトマトを入れたり。 ゆっくり野菜を炒めて火を入れることで野菜の甘みがでて、うまみも凝縮されます。 秋冬のドライカレーの野菜選びのポイントは、少し苦味のある食材も入れること。 普通だったらピーマンやセロリとなりますが、春菊や大根の葉を入れると、ちょっとしたほろ苦さで一皿を飽きることなく食べられますよ。2歳の息子も、喜んで食べています。

ママモコモ一同

石田さん、ありがとうございました!