司会:岸田雪子

日本テレビ報道局キャスター  小2男児の母
Facebook「ママチョイニュース」でママ向け情報を発信中

お話:木原実

そらジローとのコンビがおなじみの気象予報士
防災士としても活躍中

聞き手:ママモコモメンバー

日テレで働くママパパ有志サークル

岸田

木原さんに伺う、「子供の命を守る防災の知恵」、2回目のきょうは
「災害の瞬間、死なないために、どう動けばいいか」がテーマです。
木原さん、地震がきたら、まず何をすべきでしょうか?

木原

とにかく、落下物から身を守ることです。

『落下物から身を守る方法』

木原

家にいた場合は、天井から落ちるもの、割れた窓ガラスなどから身を守るためにまずは、テーブルや、机の下に潜るのが一番です。
そして、揺れが収まってから、火を消す。

岸田

リビングなどではテーブルの下。では、お風呂場では?

木原

湯船で揺れがおさまるのを待つのがいいでしょう。
落ちてくるものはあまりないし、濡れた裸足で飛び出すほうが危ない。

岸田

子供たちが学校の教室にいるときも、まずは机の下に入るんですね。

木原

じゃあ音楽室はどうか、理科実験室ならどうか、というケースごとに子供に教えることが大切です。教室でも、給食の配膳中だったらどうするか。

岸田

熱々のシチューが飛んでくるかもしれない!

木原

熱いものから離れて、机などの下に入るんですね。
音楽室や理科室では、ピアノや模型とか、重たいものが、がーっと動くかもしれない。ケースごとに想定しておくことが大切です。

岸田

通学路はどうですか?

木原

一緒に歩いて、「このブロック塀は崩れるかもしれないね」と確認することです。 古い建物の前は、歩かないようにする、というのも身を守るためです。

岸田

ぐらっと揺れたら、手提げバッグなどで頭を守る?

木原

そうですね。ランドセルもいいけれど、とっさにできなければ、せめて腕で守る。家族で車に乗っている時なども、想定しておいたほうがいい。

岸田

道路の左に寄せるんでしたね。

木原

ハザードをつけて、ゆっくり道路の左に寄せて、車を停めます。
もし大地震だ、とわかったら、エンジンを止めて、キーはつけたまま、ドアはロックせずに、車検証を持って、安全なところへ避難してください。

岸田

あとから救急隊などが車を移動できるようしておくんですね。

木原

道路の真ん中で車を放棄しちゃうと、消防車も救急車も通れなくなって、火災が多発し、一面、火の海に・・・そうならないための知識が必要です。

『“反射的に”動けるように』

岸田

いざ、という時の動き、子供たちも、防災訓練などでやりますよね。

木原

何度も繰り返して練習し、「反射的に動けるようになる」まで練習することが大事なんです。

岸田

なるほど。「きょうは避難訓練です」なんて言わない方がいいかもしれない。

木原

栃木県鹿沼市の小学校で防災授業をやったときのことですが、実際の授業中に不意打ちで緊急地震速報のアラート音を鳴らします。
もちろん子供たちは、避難訓練をやると知らされていない状況です。
すると、アラートがなるや否や、あっという間に全員が机の下に隠れました。
(この訓練の映像はこちらでご覧いただけます。
ママチョイニュース<https://www.facebook.com/ntvmamanews
2016/2/26(金)分)

一同

(映像を見て)すごい、素早いですね!!

木原

この子たちは、緊急のアラート音がなったら機械的に隠れるんだ、と反復練習している。だから、本物の地震が来た時も、「ガタガタきたら隠れる」とわかっている。大人は違ったりします。ぐらぐらっときたら、「あ、地震か?」「あー大きいな」なんて(笑)

一同

確かに・・・(苦笑)反復練習が大切なんですね。

『子供に“地震の怖さ”をどうおしえる?』

岸田

今の子供たちは、大震災を経験したり、ニュースで見たりしているせいか、私たちが子供だった頃よりも、次にくる地震への意識が高いような気がします。とはいえ、怖い気持ちもありますよね。
地震の怖さ、どう教えたらいいでしょうか?

木原

まず、「地震は地球上におきる、普通の自然現象だから、怪獣とか妖怪みたいに怖いものではないよ」とおしえてあげてください。
地面が揺れるだけですから。「地震そのものを怖がる必要はないんだよ」と。

岸田

確かにそうですね。

木原

「ただ、怖いのは、地震によって、人間が作ったものが壊れてくる。
それが君たちにぶつかってくる。怖いのはそっちだね」と。
だから、そういうものに、どう対処したらいいか。普段からわかっていれば、地震は決して怖くないんです。

岸田

パニックにならないことが大切ですね。

木原

そうです。揺れた瞬間に、「あ、地震だね。これ揺れてるだけだね」と小さな地震の時にでも、子供に話しかけてみてください。
「倒れてくるものが怖いんだよ。自動販売機から離れよう!」って。
「○○ちゃん、素早いね!動きいいね!」って。そうすると子供は
「うん、ドッチボールで鍛えたからさ」なんてね。

岸田

そのくらいの日常の感覚を持てるといいですね。

木原

パニックになっちゃうと、頭も身体も動かなくなっちゃうから、
「来たぞ地震!よし来い!」くらいな気持ちですよね。
揺れるのは仕方がない。「でも、倒れてくるものが昔より多いし、重たいから、留めておけばいいんだよ。うちは留めてあるかな」なんて会話をしておくといいですね。

一同

さっそく、子供と話します!

木原

目をそらしても仕方ありません。 目をそらさないで対応した人ほど、リスクが小さくなって、後が楽になります。
できることは、先にやっちゃいましょう。地震は、必ず来ますから。

岸田

すぐ役に立つお話をたくさんいただきました。
木原さん、みなさん、ありがとうございました。



次回は、木原さんのアドバイスをもとに「そらジロー」の防災リュックが登場します。
ママモコモメンバーのアイディアを入れて、子供が避難する時に役立つ防災リュックを企画します!

  • 1. 教室で、道路で、自宅で。場面ごとに、落下物を想定しておく
  • 2. ぐらっときたら、反射的に身を守ろう!
      そのために「反復練習」
  • 3. 「地震は怖くない、怖いのは落下物」と子供に伝えよう