世界まる見え!テレビ特捜部
08/09/08 OA
赤ちゃん誕生ミラクルストーリー

フランス人の夫婦、バーバラとマニュの間に新たな命が宿った。
奇跡ともいえる2つの細胞の出会いから、
約40週にわたる人体創造の壮大な旅が始まるのだ。



【受精】
夫マニュの遺伝子を運ぶ、生殖細胞「精子」。
約2憶もの精子が、バーバラの生殖細胞「卵子」を探し求めて突き進んでいく。
だが卵子と結ばれる精子は、たった1つなのだ。
そして、卵子の中へ入った精子は、マニュの遺伝子が詰め込まれた核を放出、
バーバラの遺伝子を持つ核と合体。これが「受精」である。
受精卵は子宮へ移動し、約3日間をかけて子宮の内膜に深々と潜り込んでいく。
これが「着床」、妊娠の始まりである。
【受精から14日後】
子宮の中では早くも心臓が形成される。
全体の大きさは、わずか2ミリ。



【受精から34日目】
体長は5ミリ。手足が生え始めるが、指の間には、まだ水かきのようなものがある。
実は赤ちゃんは、母親のお腹のなかで、原始の生命誕生から魚の時代、
両生類、爬虫類、原始哺乳類の時代を経て人間の姿へと変化し、
35億年を費やした生命の進化を、数週間で体験するのである。



【受精から2か月後】
体長が3センチになった赤ちゃんは「胎児(たいじ)」と呼ばれる状態になる。



【妊娠3か月目】
母親が食べたものは糖、脂肪、タンパク質などに分解され、
胎児の栄養を管理する器官「胎盤」へと運ばれる。
胎盤には有害なバクテリアなどを阻止するフィルター機能があり、
選抜された栄養素だけを「へその緒」を通じて、胎児へと運ぶのである。
しかし、母親が吸い込んでしまったタバコの煙の成分の一部は、
胎盤のフィルターを通り越すことができてしまうため、赤ちゃんに届いてしまうのだ。
【妊娠4か月目】
胎児を包んでいる弱アルカリ性の液体「羊水(ようすい)」は量が増え、
様々な衝撃から、胎児を守る役割を果たすようになる。



【妊娠5か月目】
胎児の身長は19センチ。体重は200グラムまでに成長。
胎児は羊水の中で活発に動きだす。
さらに生殖器が成長し、外見から男女の区別がはっきり分かるようになる。
バーバラとマニュが授かった赤ちゃんは、女の子。
二人は、彼女に「ジュリア」と名付けた。



【妊娠6か月目】
ジュリアは身長24センチ、体重は450グラムに成長。
聴覚が発達し、母親の心臓の音や周囲の声に反応するようになる。
さらには味覚を感じるように。
実はこの時期、胎児は羊水を飲むようになり、
母親が食べるものにもよって羊水の味も変わるのだ。



【妊娠7か月目】
ジュリアは目を開くことができるようになる。



【妊娠8か月目】
ジュリアは、体重が1000グラムに。
その体を動かし、頭をゆっくりと子宮の入口へと向け始める。
自らの力で、外の世界にでるための位置につくのだ。



【妊娠9か月目】
この頃になると爪や髪の毛もそろい、骨格もほぼ形成される。
頭蓋骨だけは、まだ隙間があり結合していないところがある。
これは、狭い産道を抜けるときに
頭を変形させることが出来るようにしているためである。



【妊娠10か月目】
ついにジュリア誕生の時。
へその緒をつけたまま、子宮の外へゆっくりと体を滑り込ませていく。
頭を押しつけ、母親の力を借りて下へ下へと動いていく。



長時間の苦痛の果てに、母親となった喜びを心から実感するバーバラ。
生命の誕生は、母胎という神秘の小宇宙で、2つの細胞の出会いから始まった
我々の最も身近で起きている、最も偉大なる奇跡なのである。


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