世界まる見え!テレビ特捜部
09/02/09 OA
落ちろ!蹴られろ!殴られろ!俺たちスタントマン

派手なアクションシーンが人気のインドの「ボリウッド映画」。
実は、かなりの低予算で作られており、
監督達は、俳優にもとんでもない事を要求する。



「滝に吊るされて、芝居をしながら落ちろ!」
「列車が迫ってきている線路から、ギリギリで脱出しろ!」など・・・
しかし、俳優も大物スターになると、過激なスタントをやらせることは難しくなるため、
インド映画に欠かせないのが、スタントマンなのだ。
バイクを使った過激なアクション映画では、
『バイクで、走る列車の隙間を飛び抜けろ』というスタントを撮影。
しかし、何度やっても上手くいかず、監督からは『列車など走っていない』と
むちゃくちゃなアドバイスが・・・
これで、なんとか撮影は成功したが、全ての撮影が上手くいくわけではない。



また、スタントマンが階段の上から突き飛ばされ、ふっとぶシーンでは・・・
突き飛ばされたあと、うまく宙に浮かず、スタントマンは石段に背中を強打!
だが、タフなインドのスタントマンは、すぐに起き上がって再び撮影開始!
そして、今度は見事に成功したのである。



だが、実際に大怪我を負ってしまったスタントマンもいた。
かつてスタントマンをしていた、ウィドヤは、
過激なスタントシーンで怪我を負い、下半身が麻痺してしまった。
そのシーンは、『命綱なしでヘリから飛び降りる』というもの。
だが、撮影時には、事故保険もかけられていなかったため、
怪我の治療費なども十分に補償されなかったと言う。
それでも、ウィドヤは「命が助かっただけでも良かった」と語り、
リハビリを続けながら再起を目指しているのである。
実は、売れっ子のスタントマンは、インドの平均給与の10倍は稼げると言われる
ため、命がけの仕事でありながら、志望者が後を立たないのだ。



そんな映画大国のインドには、更に低予算で映画を作る町があった。
それが南部の町< コダム・バカム >。通称< コリウッド >。
今、撮っているのが「炎の海に落ちるスタントシーン」。
実に、安上がりなセットのため、スタントマンのロープを動かすのは人間。
と、まさかの事態が!
なんと、ガスが漏れ出し、照明機材に引火してしまった!!
スタッフは慌てて、吊り下げた俳優たちを助け出そうとし、現場は騒然。
事故にはならなかったものの、こうした危険な事態は珍しくない。
今や世界一の映画大国となったインドだが、
その影には、スタントマンたちによる命がけの撮影が行われていたのである。



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