2回目でもおいしい!目がテン!?ライブラリー


モモンガ ムササビ !!  #527 2000/04/16

 最近CMで人気の、飛ぶ動物モモンガ。日本にはこのように空を飛ぶほ乳類は2種類しかいません。もう一つはムササビ。簡単に言えば、目が可愛くて小さいのがモモンガで、目つきが悪くて大きいのがムササビですが、この2種類、共にげっ歯類のリスの仲間。でも、なぜ彼らは飛ぶのでしょうか?

 主に山地に生息し探すのが困難なモモンガに対して、ムササビは平地に生息し、野生の姿を見ることも出来るというのです。そこで矢野リポーターが訪れたのは、ムササビ名所のひとつ、東京の高尾山。ところがムササビが全然見当たりません。それもそのはず、ムササビ・モモンガはいずれも夜行性なのです。

「餌を食べているムササビ」  しかし矢野さんはムササビのフンを発見。その上を見ると有りました、ムササビの巣が。ムササビは木の穴「うろ」を自分の巣にしているのです。早速小型カメラでうろの中をのぞいてみると…残念ながら、ムササビはいませんでした。でも、うろの下で夜まで待てば野生のムササビに逢えるはず。持久戦が始まりました。夕方から待つこと1時間、別のうろからなにやら顔がのぞいたかと思いきや、座布団のようなものが宙を舞った!見事、というか案外簡単に、生ムササビを見ることができたのです。木から木へと飛び移っていったムササビは、闇にまぎれて木の上でエサを食べていました。


所のポイントムササビは夜、エサを求めて飛ぶ!


「飛ぶモモンガ」  モモンガ、ムササビの飛ぶ仕組みはどうなっているのでしょうか?いずれも前脚と後脚の間に皮膜が有り、これを使って飛んでいるのです。皮膜には針状になった軟骨があり、それを伸ばすことによって、最大限に皮膜を広げ、風を受けるのです。その仕組みは、ハンググライダーなどと同じ。皮膜が生み出す揚力によって、飛び立つ場所の高さの倍程度の距離を滑空することができるのです。

 モモンガ、ムササビはなぜ飛ぶのでしょう?そこで、広い体育館のど真ん中に、モモンガをぽつんと放置してみます。すると、モモンガじっとしたまま動きません。さらにそこで、木を近づけてみると、脱兎のごとくモモンガが木に向かって走り出したではありませんか!どうやらモモンガは木の上が大好きなようです。

 しかし彼らは、木の上で何を食べているのでしょう?そこでモモンガに、「目がテン!」恒例・好きなもの実験!草食の彼らに、木の実、花、木の芽、葉をやって何が好きかを見ます。すると、実を捨て置いて、モモンガが食べ始めたのは葉や木の芽。モモンガは地面に落ちる木の実ではなく、木の上の葉が大好きなのです。

 しかも、モモンガは木の上では自由自在。尾を曲げることによって、飛行中でも方向を変えることが出来るのです。まさに、モモンガやムササビは木の上で暮らすために産まれてきたような動物なのです。


所のポイントモモンガ・ムササビは飛ばなければ生きていけない樹上生物だった!


 モモンガ・ムササビの飛ぶ形は、縦長。飛行機の翼が横長なのと大きく違いますね。翼の横の長さを、縦方向の長さで割ったのをアスペクト比と言います。飛行機は高く、モモンガ・ムササビたちは低いのですが、アスペクト比が低いことは、乱流が起こる可能性が高く、実は長距離を飛ぶのにはあまり向いていないのです。しかしそんなアスペクト比が低い翼を持っていることが思わぬところで、モモンガ・ムササビの生活に役だっていました。それが失速。翼にある程度以上の角度が付くと、翼は揚力を失い、失速、墜落します。ところが、アスペクト比が低い翼では、比較的失速が起こりにくいのです。モモンガやムササビは、着木する際に、身体を起こし、ブレーキをかけて停まるのですが、そのとき墜落しないようにするためには、アスペクト比を低くしなければならなかったのです。



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