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 地震を予知!?ナマズの謎  #583 (2001/05/27) 

 ナマズといえば真っ先に思い浮かぶのが、地震を予知すると言われていること。江戸の昔からこの言い伝えはあったのですが、本当なのでしょうか?そこで今回は科学の素浪人矢野左衛門(矢野明仁)がその謎解明に乗り出します。ナマズのまだまだ知られていない不思議な生態も明らかになります。 

 千葉県佐倉市に住むナマズの日本一のコレクター松坂さんのもとに、矢野左衛門がうかがいました。するとそこには想像を絶する様々な世界のナマズがいたのです。巨大ナマズに、貼り付くナマズに、人食いナマズ!?実はナマズは世界に2000種類もいる、魚界でも一大勢力だったのです。

 そのナマズの特徴はやっぱりあのヒゲ。いったい何のためにあるのでしょう?ナマズの棲む川や沼は、水が濁っていて視界がききません。そのためにヒゲを発達させて、ヒゲで触れながら食べられるかどうかを判断してエサを食べていたのです。

所さんのポイント
ナマズのヒゲは濁った川で役に立つナマズの目だった!

産卵行動・オス・メス  また番組では貴重なナマズの産卵行動の撮影に成功しました。5月から6月にかけて、雨上がりの夜の田んぼで行われるその不思議な光景・・・。普段川や沼に棲むナマズが、日が暮れると続々と田んぼの用水路にやってきます。そして高い段差もなんのその、まるでコイの滝登りといった具合で土手を這い登って田んぼに入っていきます。こうして田んぼに入ってきたナマズたちは、なんとも奇妙な行動をとり始めたのです。なんとナマズにナマズがまるで、はちまきを巻くように巻きつくのです。巻きついているナマズがオスで、巻きつかれている大きなナマズがメスです。オスがメスに巻きつくことでメスを刺激して産卵を促します。そして離れる瞬間にメスは卵を産み落とし、バシャバシャと暴れながら精子をかけて卵を撒き散らすのです。この一回の産卵で、実に10万個以上の卵が産み落とされます。田植えが終わったばかりの田んぼは敵がいない上に、稚魚のエサとなるミジンコなどのプランクトンが豊富です。そのためにナマズはこの時期に必死の思いで川をさかのぼってくるのです。

 矢野左衛門には思わぬ災難が待ち受けていました。なんとデンキナマズの水槽に手を入れろという業務命令。武士の心意気を見せるべく決死の覚悟で臨んだ矢野左衛門。しかし思いっきりしびれて、思わず素になってしまいました。

矢野左衛門  怒った時にも放電するというデンキナマズ。およそ400Vの電圧です。しかしデンキナマズの放電にはもっと生きるのに大切な理由があったのです。実は放電はエサを捕まえるための武器だったのです。そばに近づいた魚を感電させて気絶させたところをパクッと食べてしまうのです。デンキナマズの発電器官は皮膚の下にある、全身を覆った電気細胞だと考えられていています。

 デンキナマズは実は日本にはいません。しかし日本にいるナマズにも電気は深く関わっていたのです。

 ナマズに電気の通ったエサ(魚の切り身)と、電気の通ってない普通のものとを与えてみました。するとなんとナマズは電気の通ったエサに近づいていったのです。一体これはどういう事なのでしょうか?魚はエラ呼吸の際に微弱な電気を発生させています。ナマズはこの微弱な電気を、体表面にある電気受容器で察知してエサの位置を割り出して近づき、ヒゲで確認して捕食するのです。

 そしてこのことがナマズが地震を予知するといわれる事に深く関わっているらしいのです。地震が発生する直前に地殻がずれ、岩盤が崩れることによって地電流というものが発生することがわかっています。もしかすると電気に敏感なナマズがこの地電流を感じて暴れているというわけです。

所さんのポイント
ナマズは地震に敏感というより電気に敏感な魚だった!


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