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 ものまね鳥 インコの謎  #622 (2002/03/10) 

 イヌ、ネコと並んで歴史の古いペット、それがインコなのです。人の言葉を真似することでお馴染みのインコ、それ以外にも様々な不思議な生態を持った鳥なのです。そしてオウムもインコの仲間。今回はユニークな鳥、インコ&オウムを科学します。

クルミを食べるインコ  インコはくちばしが強い?そこで固い木の実の代表・クルミをインコに与えてみました。するといとも簡単に殻を割り、上手に食べてしまいました。骨格を見ても他のハトなどの鳥類に比べて、くちばしが大きく発達していて、顔の半分を占めているのです。さらにあごの筋肉も他の鳥に比べて発達しているのです。

 インコがエサを食べる様子を見ると、実に上手に足を使っています。インコの足は特殊な形。普通の鳥類は前に3本、後ろに1本、指がついているのですが、インコは前に2本、後ろに2本付いているのです。このような足を“対指足”というのですが、木をつかみやすいのが特徴。そんなわけでインコは木登りもうまいのです。

所さんのポイント
インコのほかに、キツツキ、フクロウも対指足!

 インコといえばおしゃべり!でもどうして人の言葉をまねすることができるのでしょう?インコの声とヒトの声の周波数を見てみました。すると人の声は低音域なのに対し、インコの普段の鳴き声は高音域から中音域なのですが、人まねをする時、なんとインコの声は低音域になったのです。インコは高い声から低い声まで出せる、珍しい鳥なのです。
 これは胸のあたりにある鳴管(めいかん)という発声器官のおかげ。インコは他の鳥に比べてこの鳴管の筋肉が発達しているのです。さらにインコは大きな舌を持ってます。これも複雑な発音を出せる理由だったのです。

所さんのポイント
インコのおしゃべりのひみつは発達した鳴管と舌にあり!

ワカセホンセイインコ  矢野さんが恐るべき情報を耳にしました。なんと東京の23区内に、野生のインコの群れが生活する所が有るというのです。もともと熱帯や亜熱帯にしか生息していないインコ、それがなぜ日本に?そこで矢野さんが向かったのは東京・大田区大岡山。この近くの木に100羽以上のインコがやってくるとか。ところが夕方集まったインコの大群を見てビックリ!100羽どころではなかった!その数実に500羽以上!その光景には矢野さんも圧倒されました。このインコはスリランカ原産のワカケホンセイインコ。体長40センチも有るのです。

 でもどうして野生のインコがこんな都会の真ん中にいるのでしょう?それはヒートアイランド現象!この100年で東京の平均気温は3度も上がってしまったんです!都心の表参道では、コーヒーの木などの熱帯植物が生い茂っているほど。これではインコも増えるわけです。
 ところがこのインコ、強い鳥なので、本来日本に住んでいる鳥のエサや巣を奪ってしまうんです!日本の生態系にとって危険な存在。インコを飼う時は逃げ出さないように注意しましょう。

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