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 油あげ好き!?トビの謎  #678 (2003/04/20) 

 上空をはばたきもせず優雅に飛んでいる鳥、トビ。“トンビが油揚げをさらう”のことわざでも有名です。本当にトビは油揚げが好きなのでしょうか?そして、猛禽(もうきん)類でタカ目タカ科という、歴としたタカの仲間というトビの、タカとは随分異なるその生態とは?

 トビは油揚げを本当に食べるのでしょうか?そこで、油揚げを始めとして、肉や魚や野菜、果物、お菓子など色んな物をトビにやってみました。すると全て食べてしまったのです。タカが肉食なのに対し、トビは雑食だったのです。
 トビといえば、上空からハンバーガーを食べる姿をTVで見たことはありませんか?しかしこのハンバーガーをゆっくりと振り回すとどうでしょう、トビは全く食べに来ません。静止するとまたパクリ。タカが動物の死骸には見向きもせず、動かすと飛びつくのとは対照的。トビは生き物をほとんど襲わないため、動いてるものは食べようとしないのです。

所さんのポイント
トビは雑食。動物は主に生きてないものしか食べない。森の掃除屋さんなのだ!

 トビといえば、あの“ピーヒョロロ”という鳴き声。あの鳴き声にも秘密がありました。矢野さんがテープに録った鳴き声を流してみました。するとトビがやってきて鳴き返したのですが、その声は“ピーピピピピピ”いつもの声ではなかったのです。トビは鳴き声で様々なコミュニケーションをしています。“ピーヒョロロ”は自分の縄張りをアピールする鳴き声。そして“ピーピピピ”は、縄張りを荒らされていると思っての警告の鳴き声だったのです。ほかにも甘えや威嚇でも、トビは細かく鳴き声を変えていました。

 先程登場したハンバーガー。なんとトビは上空100メートルからでもハンバーガーが見えるというのです。これはヒトよりも凄いのではないか?ということで矢野さんがハンググライダーに乗り上空から地上のハンバーガーを見ることにしました。
 ハンググライダーを選んだのにはわけが有ります。実はハンググライダーとトビの飛び方は同じなのです。両方とも輪を書いて飛ぶのが特徴ですが、これは暖められた地面から丸く立ち上る上昇気流(サーマル)を利用しているからなのです。
 いざ大空へ舞い上がった矢野さん。しかし150メートルはもちろん、50メートル上空でもハンバーガーを識別することは出来ませんでした。
 そこでトビの視力測定。50メートル離れた所から1.5センチの物が認識出来れば、視力1.0なので、この地点に1.5cm、0.75cm、0.375cm、0.1875cm角の肉を置きました。するとトビは、0.1875cm角の肉も50メートル先から見つけ、飛んできて食べたのです。つまり、視力1.0の8倍…

所さんのポイント
トビの視力は番組で測ったら8.0だった!これなら上空からでもエサが探せる。

 これは鳥の目には、ヒトの様に毛細血管が無いので視力の妨げにならないということと、トビの視細胞がヒトの5倍も有るためなのです。

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