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 ビタミン王!アセロラ  #681 (2003/05/11) 

アセロラの実  突然ですが、5月12日はアセロラの日。そこで今週はビタミンCも豊富な果実、アセロラを科学します。ジュースで飲むだけではなく、最近は様々な食品や化粧品にも使われているアセロラは、日本でも沖縄で栽培されていたのです。

 矢野さんは沖縄から生のアセロラを空輸してもらうことにしました。そして摘んでから1日で届いたアセロラですが、なんとグズグズになってしまっていたのです。アセロラは年に5〜7回、花を咲かせ実をつける、実に成長サイクルの早い果物だったのです。なので実も、さっさとダメになってしまうのです。

所さんのポイント
アセロラは、1年に5〜7回も実をつける植物だった!

 アセロラには、じつは2種類の実が有ります。それは酸味種と甘味種。名前の通り、前者は酸っぱく、レモンの34倍のビタミンCを誇るのはこちらの方。甘味種にはその半分しかないそうです。この両者がうまくブレンドされて、承認に使われています。

 なぜアセロラは成長が早いのでしょう?それはまずは花粉の形。アセロラの花粉は変形し不備なものが多いのが特徴なのです。よって結実率が、リンゴ約80%、レモン60%なのに比べ、3%ととても低いのです。なので繰り返し花を咲かせ、実の数を増やそうとしているのではと考えられます。

セバタンビヘラコウモリ  そしてもうひとつの理由は、アセロラの実を食べる生物、熱帯に棲むセバタンビヘラコウモリ。このコウモリは果物を食べるコウモリ。果実を食べるコウモリは前歯以外は歯が鋭くないので、熟して軟らかくなった果実を好むのです。なのでこのコウモリに種子をまいてもらうために、アセロラは実を早く熟させるのではないかと考えられます。

 いったいなぜアセロラの実にはあれほどのビタミンCが含まれているのでしょう?ビタミンCには、植物がストレスを受けた時に発生させる有毒な活性酸素を無毒化する働きが有るのです。植物にとってのストレスとは、暑さ、寒さ、乾燥など、成長を妨げるもの。なので、過酷な状況にある植物には、ビタミンCが豊富に含まれているのです。アセロラは成長が早いため、光合成も活発で、その結果活性酸素を大量に発生させてしまうのです。なのでビタミンCを豊富に含んでいるのでした。
 そしてヒトを始めとする霊長類、そしてモルモットは体内でビタミンCを作ることが出来ませんなのでビタミンCを摂取しなくてはならないのです。

所さんのポイント
アセロラにビタミンCが多いのは、活発な成長のためストレスが多いから!

 またもや「目がテン!」が変わった物作りに挑戦です。今回はなんとアセロラワイン。作るは魚住アナと酒造メーカー。しかしアセロラには、ブドウの半分しか糖分が無いため、アルコール発酵しなかったのです。そこで糖分を加えて発酵させましたが、残念ながらやはり味はイマイチでした。おいしかったら、商品になっていますよね。

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