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 秋の香りキンモクセイ  #703 (2003/10/19) 

 秋のこの時期、街を彩る香りの正体がキンモクセイ。誰もがその香りの記憶があるはず。しかしこのキンモクセイ、実は匂いだけの植物ではなかったのです!

キンモクセイとメランポジウム  キンモクセイのこの匂いは、やはり虫を呼び寄せるためのものなのでしょうか?そこでキンモクセイとキクの一種・メランポジウムの花を用意し、モンシロチョウがどちらに行くのかを実験してみました。キンモクセイの花の匂いの強さはメランポジウムの3倍でしたが、なんとモンシロチョウはみんなメランポジウムに行ってしまいました。

 キンモクセイの花の匂い成分、ガンマーデカラクトンには、虫を避ける効果が有るのです。唯一この匂いが平気なのがホソヒラタアブというアブ。このアブだけがキンモクセイの花に付くので、決して開花期間の長くないキンモクセイの花が、アブが専門的に受粉してくれることにより、効率的に受粉が出来るというわけです。
 さらにスタジオで矢野さんが腕にキンモクセイの香り成分を付け、その腕を100匹の蚊のいるアクリルボックスに入れてみたところ、全く蚊に刺されなかったのです。

所さんのポイント
キンモクセイの花の匂いは、虫を寄せ付けない匂いだった!

キンモクセイの花  キンモクセイの英語での名前を調べてビックリ。なんとフレグランス・オリーブ=香るオリーブ、という名だったのです。ならばキンモクセイの実でオリーブ油のような油が取れるのではないかと矢野さんが調査に乗り出しました。しかし日本ではキンモクセイの実はほとんどなりません。実はキンモクセイにはオスとメスの木があり、中国から日本に入ってきたのは花が多く香りの多いオスの木ばかり。なので実はならないのです。

 そこで本場中国に問い合わせましたが、日本と同じく今は花の季節。なので実は入手出来ませんでした。

所さんのポイント
日本にあるキンモクセイの木のほとんどはオスの木!

 キンモクセイの花は、中華料理で色々と使われていたのです。そのお茶は桂花茶。さらにそのお酒は桂花陳酒。結構身近な所で使われていました。
 さらにこの花を砂糖とハチミツに浸けた、桂花醤(けいかじゃん)はデザートなどの香り付けに使われ、また乾燥させた生花も、料理の香り付けに使われていました。

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