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ティッシュ vs 相撲部員
第816回 2006年1月29日


 インフルエンザが流行している近頃や、これから花粉が飛び始める春先に、私たちが手放せないものといえばティッシュ。実は、世界でもティッシュで鼻をかむのは日本人くらいで、今やティッシュを世界で一番使っているのは日本なのです。そこで今回は、普段何気なく使っているけど、実は科学の結晶だったティッシュに迫りました。

 ティッシュを含め、紙には「タテ」と「ヨコ」があるそうなのです。破ってみて、すんなり裂ける方がタテで、うまく裂けない方がヨコなのだとか。しかし、なぜ紙にはタテとヨコが出来るのでしょうか?
 そこで矢野さんが、その秘密を探るために製紙工場を訪ねました。まず、紙の材料には、世界中から運ばれてきた廃材や植林されている樹木を、細かくチップにした物を使います。このチップから木の繊維を取り出し、漂白したものを「パルプ」と言うのです。
ベルトコンベア  さらに、このパルプを水に混ぜて、繊維をバラバラにしていきます。そして、この液体を紙のように薄い形状にするために、高速で動くベルトコンベアに吹き付けていきます。ベルトコンベアが動くスピードは、通常の紙で時速80キロ、ティッシュの場合は、もっと薄いので時速120キロにもなるのだそうです。その様子は、まるで激流の川のよう。そして、このベルトコンベアに吹き付けた液体から、水分を乾燥させれば紙が完成するのです。
 この出来上がった紙を電子顕微鏡で見てみると、繊維がきれいに一方向に並んでいました。一体、どうしてでしょう?実は、バラバラになった繊維がベルトコンベアに吹き付けられた時、水の流れの中で一方向に並んでいたのです。
 実は、これが紙にタテとヨコが出来る理由。ベルトコンベアの流れの中で繊維が一方向に並ぶので、紙にはタテとヨコが出来るのです。

 ティッシュといえば柔らかくて軽いイメージですが、実はティッシュはとんでもなく強いというのです。果たして、本当でしょうか?
 そこでまず、ティッシュ1枚のタテとヨコの強度を調べてみると、タテの方が強く、1.4キロまで耐えられることがわかりました。つまりその計算だと、1箱400枚のティッシュで560キロまで耐えられる計算になります。
 そこで、目がテン恒例びっくり実験!ティッシュ1箱で相撲部員を吊り上げることに挑戦しました。まずは、130キロの相撲部員1人が、ティッシュ1箱400枚で支えられた取っ手にぶら下がることに。浮いた相撲部員すると見事成功、相撲部員は持ち上がりました。そこで、さらに125キロの相撲部員を呼んで、相撲部員2人でぶら下がることに。なんと、2人併せて255キロなのですが、これも見事持ち上がりました。さらにさらに、105キロの相撲部員も登場して、なんと3人合わせて360キロに挑戦。すると、なんと3人でも見事持ち上がったのです!
 ここでティッシュに亀裂が入ったため、実験は終了。ティッシュ1箱400枚で、 相撲部員3人、360キロの重さを持ち上げることに成功したのでした。

所さんのポイント
ポイント1
ティッシュ1箱400枚で、相撲部員3人、360キロの重さを持ち上げることが出来たのだ!

 最近人気のティッシュと言えば、鼻をかんでも赤くならない「保湿ティッシュ」。普通のティッシュより2倍の水分を含んでいるそうなのです。また水分を含むティッシュといえば、ご存じ「濡れティッシュ」。でも、保湿ティッシュと濡れティッシュって、一体どこがどう違うのでしょう?  そこで両者を放置しておくと、濡れティッシュは15分程度であっという間に軽くなってしまいましたが、保湿ティッシュは1時間たってもほとんど重さは変化しませんでした。一体、どうしてでしょう?
 その理由は、一般的に濡れティッシュにはアルコールが含まれており、揮発性が高いため、空気中に蒸発しやすいのです。一方、保湿ティッシュには、グリセリンやソルビットと呼ばれる保湿成分が含まれており、空気中から水分を絶えず取り込むため、なかなか乾燥しないのです。
 さらに、両者を水に入れてかきまぜてみると、保湿ティッシュはボロボロになってしまったのに対し、濡れティッシュは全く変化しませんでした。
 それもそのはず、実は濡れティッシュは紙ではなく、人工繊維を接着剤などで結合させたもので、むしろ布に近い物だったのです。

所さんのポイント
ポイント2
保湿ティッシュは、空気中から水分を取り込むから乾燥しにくかった。
さらに濡れティッシュは、人工繊維から作られていて布に近い物だったのだ!





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