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大間違いの秋 ナス 選び
第850回 2006年10月1日


 味覚の秋!食欲の秋!この時期、食べ頃の野菜と言えば、ナス!秋ナスという言葉があるくらい、秋のナスは旬なのです。しかし、身近に食べているナスですが、実は調べてみると、意外な新事実が続々判明したのです!

 ナスといえば「ボケナス」という悪口がありますよね。しかし、実は言葉だけじゃなく、本当に「ボケナス」というナスがあるらしいのです。果たして、どのようなナスなのでしょうか?
 実はボケナスとは、普通のナスに比べてちょっと色が薄く、ボケて見えるナスのことだったのです。でも、一体なぜ薄い色になってしまうのでしょう?
 調べてみると、ボケナスが出来やすいのは、葉の下で日陰になっているところ。つまり、ナスがきれいな紫色になるには、太陽の光が必要だったのです。
美白ナス完成  だとすれば、逆に全く光を当てなければ、真っ白いナスが出来るのではないでしょうか?そこで、目がテン大実験!「光をあてずに美白ナスを作ろう」。受粉が終わったばかりのナスに、アルミホイルをかけ光を遮断しました。すると1週間後、なんと見事に真っ白い美肌ナス完成したのです。
 一般に強すぎる紫外線は、ナスの細胞を傷つけると言われています。そこでナスは紫外線を受けると、元々あるブドウ糖を「ナスニン」という紫色の色素に変化させ、皮の周辺に集まらせることで、紫外線から実を守っているのです。

所さんのポイント
ポイント1
ナスが紫色になるには、太陽の光が必要だった。
逆に、全く光をあてなければ、真っ白いナスが出来てしまうのだ!


 スーパーでどんなナスを選べば良いのか、悩んだことありませんか?同じ値段のナスでも、袋によって傷が付いていたり、色が薄かったりしますよね。
 そこで、街の人に聞いてみると、「傷がなく色の濃いものが美味しいはず」という意見が、圧倒的に多いことがわかりました。そのせいか、スーパーでも傷ついたナスは人気がなく、半額以下の値段で売られることもあるのです。
 では、傷ついたナスは、見た目だけじゃなく、味も悪いのでしょうか?お店の人に聞いてみると、傷ついたナスも色の濃いナスも味は全く変わらないというのです。
 さらに、傷ついたナスを研究所で詳しく調べてもらうと、なんと傷ついたナスは、色の濃いナスや薄いナスに比べてポリフェノール類が多かったのです。色の濃いナスより約10%、ポリフェノールが多いことがわかりました。また、傷のついた皮の下辺りに、ポリフェノールが集中していることも判明しました。しかし、一体どうしてこんなことが起こるのでしょうか?
 実は、ナスに傷がつくと、傷口から雑菌が入り込まないように、新たにポリフェノールが作られ、傷の周辺にたまるのです。つまり傷ナスは、価格も安いし、ポリフェノールも多い、お得な食材だということがわかったのです。

 誰もが知っているナスのことわざ「秋ナスは嫁に食わすな」。いったいこれはどうしてなのでしょうか?
 そこで、目がテン大実験!「秋ナスを実際に嫁に食べさせてみよう!」。3名のお嫁さんに協力して頂き、ナスを食べた後の「体温」と「体の表面温度」を1時間計測します。また比較のために、ハムとタマネギもナスと同じカロリー量だけ食べてもらいました。
 すると、ハムやタマネギを食べたときは、カロリーを摂取したことによる若干の体温上昇が起きただけで、特に大きな変化はありませんでした。
 ところがナスを嫁に食べさせてみると、3人の嫁とも計測途中でトイレに行きたくなったのです。そしてトイレから戻ってくると、なんと全員体温が下がっていました体温グラフどうやら、おしっこをしたことで体から熱が逃げてしまったようなのです。しかし、どうしてこんなことが起こったのでしょうか?
 実は、ナスにはカリウムが多く含まれています。カリウムには利尿作用があり、そのためナスをたくさん食べるとトイレに行きたくなるのです。そして、トイレに行っておしっこをすると、体の熱が逃げ体温が下がるというわけなのです。
 もしかしたら、「秋なすは嫁に食わすな」ということわざは、大切なお嫁さんの体が冷えないようにという姑の思いやりだったのかも知れません

所さんのポイント
ポイント2
ナスは利尿作用があるカリウムを多く含んでいるので、食べるとトイレに行きたくなり、おしっこをすると体の熱が逃げて体温が下がるのだ!




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