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検証 チンギスハン 伝説
第944回 2008年7月27日


 目がテン!恒例の夏休み海外特集として、今回訪れた国は、モンゴル!第一弾は13世紀初頭に巨大なモンゴル帝国を築いたチンギス・ハーンの秘密に迫ります。

 日本から約3,000km、日本の約4倍の面積を持つモンゴル。その首都・ウランバートルに到着した矢野さんは、早速モンゴルの通貨に両替しようとお札を見ると、なんと9種類あるお札の内、5種類にチンギス・ハーンの肖像が印刷されていました。その他にも街には銅像などチンギス・ハーンにまつわる物があふれ、彼は死後800年近く経った現在でも、モンゴルの人たちに慕われ続けている英雄だったのです。そんなチンギス・ハーンはなぜ巨大なモンゴル帝国を築くことが出来たのでしょう?まず一つ目の秘密は「馬」にありました。近代的なビルが並ぶウランバートルの中心地から車で少し走っただけで現れた一面の大草原。そして道路脇になぜか3頭の馬がつながれていました。なんとこの場所は、郊外に住む人たちが、街に買い物に来た時に使う馬の停留場だったのです。実は、モンゴルではほとんどの国民全員がマイ馬を持っているほど馬が多く、今も欠かせない移動手段となっているのです。さらに、草原でいとも簡単に馬を乗りこなしている少年達を見た矢野さんは、自分も挑戦してみると、とても乗りやすく感じました。一体何が違うのでしょうか?専門家の方にモンゴルの馬の映像を見てもらったところ、モンゴルの馬は左右同じ側の前足と後ろ足を交互に出す「側対歩」と呼ばれる足運びだったのです。側対歩(右前、右後)それに対し、日本や西洋にいる馬は、ほとんどが左前足を出した時は後ろの足は右になる、「斜対歩」と呼ばれる足運びです。この2つの足運びの馬に乗った矢野さんの上半身の動きを比べてみると、斜対歩では大きく上下に揺れているのに、側対歩では上下の揺れがほとんどなかったのです。実は、チンギス・ハーンは騎馬兵には側対歩の馬を与え、揺れによる兵士の疲労を軽減し、移動効率を高めていたそうです。つまり、側対歩の馬のおかげで広大な領地を支配できたのです。

所さんのポイント
ポイント1
チンギス・ハーンは側対歩と呼ばれる、揺れが少なく乗っている人が疲れにくい足運びの馬を活用し、広大な領土を支配したのだ!

 さて、二つ目の秘密は、3000年の歴史を持つモンゴルの国民的スポーツ、「モンゴル相撲」にあるといいます。モンゴル相撲は日本の相撲とは違い、まわしは付けず、短パンに上着、そしてブーツを履いて行います。また、土俵はなく、手の平以外が先に地面ついたら負けとなります。持ち上げられた矢野さん早速体重100kgの矢野さんも衣装を着て、自分より40kgも軽い選手に対決を挑みました。すると、試合開始からたったの15秒で軽々と持ち上げられ地面へ!リベンジとばかりに、さらに軽い体重55kgの少年に勝負を挑むも、バックを取られわずか9秒であっさり敗北してしまいました。
 体格の差が関係ないとすれば、彼らの強さの秘密は一体どこにあるのでしょうか?そこでモンゴル相撲と、明治大学の相撲部の5人ずつの身体能力を調べ比較してみました。握力、背筋力、腕立て伏せを計測した結果、モンゴル相撲は驚異の数値を記録し、平均データをまとめると、相撲部の学生に全てにおいて勝っていたのです。実は、日本の相撲は土俵があるため、大きな体格での押し技が有効ですが、モンゴル相撲は力づくで相手を倒さなければ勝ちにならないため、強い筋力を活かした投げ技が命。だからこそ、上半身の力がとても強いんです。そこで、矢野さんは全身にオイルを塗りたくって相手の投げ技を封じる、名付けて「ヌルヌル大作戦」を考え、再び勝負を挑みました。すると、相手は矢野さんの体を掴むのに苦労し、先ほど9秒で負けた相手には38秒、さらに15秒で負けた相手には1分9秒も持ちこたえる事ができました。勝てはしなかったものの、見事投げ技を封じ込め、作戦は成功?したようです。実は、蒙古軍の兵士も、重い甲冑を身に付け、馬上で刀を振り回すのに必要な腕力と背筋力をこのモンゴル相撲で養っていたのです。

 さて、三つ目の秘密は「温泉」にあると聞き、矢野さんはチンギス・ハーンも入ったという、シャルガルジュート温泉に向かいました。その源泉の温度はなんと88・5度もありました。でも、モンゴルには火山がないのに、なぜ温泉があるのでしょう?実は、モンゴルの温泉は非火山性温泉と言って、地中の水がマグマの熱ではなく地球そのものの地熱によって温められ沸き出たものなんです。矢野さんは、温泉に気持ち良く浸かっていると、なんと10分経った時、看護師さんから出るように言われてしまいました。実はモンゴルの温泉は、隣接する診療所で必ず医師の処方を受け、指定された時間しか入浴することができないのです。モンゴルでは、温泉は1000年以上も前からケガや病気の治療を目的として利用されているのだそうです。そこで、源泉のPHを測ってみると9.0でアルカリ性を示し、さらに成分にはナトリウムイオンを多く含んでいました。チンギス・ハーンは、この、傷の回復に効果があるとされる温泉の力で蒙古軍の疲労を回復させていたのです。そして、スタジオにはこのモンゴルの温泉とほぼ同じ成分を再現した特別な入浴剤が登場。足湯に浸かった所さんは、その気持ちよさに大満足でした!

所さんのポイント
ポイント2
チンギス・ハーンは、地熱で沸いたアルカリ性の温泉の力で蒙古軍の疲労を回復させていたのだ!




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