知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


2泊3日 視力 UP合宿
第985回 2009年5月16日


 最近、視力矯正のレーシックが話題となり、カラーコンタクトレンズやボリュームアップマスカラなど、目に関するグッズも若い人の間で大流行!そこで今回は日本人の願望が詰まった「」を科学します!

 近視のため、視力アップを夢見る矢野さんは、視力回復のヒントを探るためにゴルフ場へ。そこで、視力がいい人が多いというキャディさんにその秘訣を伺うと、毎日お客さんのボールの行方を追い、遠くを眺めているためだと言うんです。では、本当に遠くだけを見る生活をすれば、視力がアップするのでしょうか?そこで、目がテン流・2泊3日視力アップ大作戦を敢行!実験の様子(メガネ着用、あご固定)視力を良くしたいという近視の方4人に豊かな自然の中で、近くは見ずに、遠くだけを見る生活をしてもらいました。装着してもらうのは目がテン特製レンズなしメガネ。メガネの下に付けられたボードが近くの視界を遮り、さらに下を向かないように顎も固定。4人が遠くを見ているかチェックするため、500m離れた場所から予告なしで風船をあげ、確認できたら手元のボタンを押してもらう仕掛けも用意しました。午後1時、作戦スタート。作戦中は食事も料理を見ずに食べ、トイレに行く時もアイマスクを着用する徹底振りです!

 日没を迎え、何も見えなくなったところでその日の実験を終了すると、夜もアイマスクをしたままテントで就寝。2日目の朝6時、日の出とともに、まだ薄暗いうちから遠くだけ見る生活を再開!視力アップへ大きな期待を抱きながら2日目が終了。そして激しい雨が降るなか3日目がスタート!愚痴をこぼし、寒さに耐えながら午後1時、2泊3日の大作戦が終了。果たして4人の視力はどれだけ良くなったのでしょうか?すると…なんと視力は4人中3人が変わらず、残りの1人は0.1下がってしまうという結果に。結局、遠くを見続けても、視力は全く良くならなかったのです。
 実は、一度近視になってしまったら基本的に訓練で視力は戻らないそうです。近くを見るとき、目の筋肉は緊張して水晶体と呼ばれるレンズを厚くします。一方。遠くを見るときは筋肉がゆるみ、レンズが薄くなります。しかし、近くばかり見続けると、筋肉が疲れるので、レンズが薄いままで楽に見ようとします。ところが、そのままではピントが合わないため、なんと眼球を長く変形させてピントを合わせるのです。一度変形した眼球は元に戻らず、例外はありますが、訓練で視力を上げることは不可能だそうです。

所さんのポイント
ポイント1
近視の人は眼球が変形してしまっているので、基本的に訓練で視力は戻らないのだ!

 近視の人にとって憧れといえば、視力2.0。しかし、多少視力が悪くても不便でないという人が、意外に多いんです。しかもそれどころか、視力が少々悪い方が、お得なことがあるんだとか!そこでこんな実験です。視力2.0vs視力0.8、「針の糸通し対決」!50分間でどちらが多く針に糸を通すことができるのかを競ってもらいます。開始から30分後、最初はリードしていた2.0チームの作業が遅れ始め、最終結果は0.8チーム209本、2.0チーム178本で0.8チームの勝利!なぜ2.0チームは、後半失速してしまったのでしょう?実は、近くを見る作業は、近視の方が疲れないのです。視力のいい人は、近くを見るときに目の筋肉を使って、ピントを合わせています。一方、近視の人は、眼球の変形によって、最初から近くにピントが合っている状態なので、疲れにくいのです。

 さて、佐藤アナの夢は、ハリウッド女優のような青い目になること。そこで、流行のカラーコンタクトレンズで青い目に挑戦。しかし、街の人に聞いてみると圧倒的に黒い目の方が人気で、青い目は不評でした…。ところが、日本人らしい黒い目の方が実は青い目よりお得なことがあるそうなのです。そこで、青い目のオーストラリア人vs黒い目の日本人で卓球対決!真っ白な部屋に卓球台と照明機材を用意。部屋の光量をどんどん上げていきながら、卓球マシーンからランダムに打ち出された球を50球、打ち返してもらうという実験。2人の卓球の腕前はほぼ互角です。最初の照明の光量は、晴れの日の外と同じ10340ルクス。するとこの照明では2人共、順調に50球打ち返しパーフェクトでした。そこで照明を3倍の明るさ、32730ルクスに上げたところ、日本人はパーフェクトでしたがオーストラリア人は50球中4球空振りでした。さらに光量を、夏の太陽をまともに見た時のまぶしさの72670ルクスに上げました。それでもまたもや日本人はパーフェクト!しかしオーストラリア人は8球も空振りしたのです。「空振り」連発のオーストラリア人なぜとたんに打ち返せなくなってしまったのでしょう?実は青い目は光に弱かったのです。目の黒い部分はいわば目のカーテンのようなもの。日本人の黒い目は、分厚いカーテンと同じで、光をよくさえぎることができるのですが、青い目の場合、カーテンが薄い状態と同じなので、まぶしさに耐えられないのです。欧米の人はよくサングラスをかけていますが、カッコつけているのではなく、本当にまぶしかったのです。憧れの青い目ですが、日本人の黒い目の方がまぶしさに強い分お得だったのですね。

所さんのポイント
ポイント2
青い目は光に弱い。日本人の黒い目は分厚いカーテンのように光をよくさえぎることができるのだ!




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