知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


絶壁に挑め電動自転車
第993回 2009年7月11日


 今日本では自転車が大ブーム!環境に優しく、健康にもいいと、売り上げを伸ばし、続々と最新自転車も登場するなか、今回は自転車の秘密に科学で迫ります。

 まずは、最近主婦に大人気!電気の力を借りて走る、電動アシスト自転車の能力を調べます。電動アシスト自転車に矢野さんが、同サイズのママチャリには自転車選手が乗り、150mの直線コースで勝負!その結果、スタートこそ互角でしたが、矢野さんはすぐに追い越され完敗。やはり矢野さんの脚力では勝負にならないのでしょうか?そこで、実力が同じレベルの選手に、矢野さんの代わりに電動アシスト車に乗ってもらい再び対決すると…最初は電動アシスト車がリードしたものの、途中からママチャリが追い越して逆転勝利でした。さらに、乗る自転車を交代してみても、またしてもママチャリの勝ち。選手によると、電動アシスト車は、出だしは良くてもスピードが乗ってからは進まないんだとか。これはなぜでしょうか?実は、電動アシスト自転車は、ペダルを漕ぐと搭載されているモーターが回って漕ぐ力をアシストする仕組み。このモーターの力を計測してみると、速度が上がるにつれてどんどん弱くなり、時速24kmを超えるとパワーはゼロになってしまいました。電動アシスト車は法律の制限により、24kmを超えるとアシストができなくなり、単に重い自転車になってしまうのです。しかし、電動アシスト自転車の力が最も発揮されるのは上り坂だといいます!では、どれほどの坂を登ることができるのでしょうか?自転車別・ジャンプ台到達角度 3面比較そこで、スキージャンプの聖地、白馬ジャンプ競技場で、一流のロードレーサーがジャンプ台の着地部分から最大傾斜角37.1度という絶壁に挑みます。まずは比較のためにママチャリで登ってもらうと、傾斜角17.2度の35.2m地点まで登れました。お次はいよいよ電動アシスト自転車に乗ってチャレンジ!結果はママチャリの記録を大きく超え、なんと傾斜角26.3度、52.1m地点まで登ることができました。ちなみに、山を走るマウンテンバイクでも挑戦しましたが、到達した傾斜角は22.2度と、電動アシスト自転車には及ばず。スピードが出ない電動アシスト自転車は、パワーが必要な坂道で力を発揮する自転車だったのです。

所さんのポイント
ポイント1
電動アシスト自転車は、スピードは出ないが、パワーが必要な坂道で最大の力を発揮するのだ!

 自転車といえば主婦の強い味方ですが、今、問題となっているのが自転車の3人乗り。これまでの法律では、6歳未満の幼児1人だけしか乗せることができませんでしたが、それほど危険なんでしょうか?そこで新米主婦の佐藤アナが3人乗りに初挑戦!3歳児の平均とほぼ同じ、体重15kgの人形を普通のママチャリの前後に1体ずつ乗せ、合計30kgで運転します。三角コーンが並ぶジグザグコースを走りましたが、スタートした途端にコントロールを失い、ヨロヨロでなんとかゴール。そこで、お蕎麦をかついで35年の出前の達人と、バランスの達人、BMXライダーにも挑戦してもらいました。すると、両者とも後半は制御できなくなり、上手く運転できませんでした。おんぶとだっこの3人乗りで走る所さんスタジオで所さんも3人乗りに挑戦しましたが、結果はフラフラ…。実は、3人乗りではサドルだけではなくハンドルの上と後輪の上にも子供の体重がかかるため、コントロールが難しくなるのです。ならばと、中央に重さを集めるために、今度は所さんが人形を抱っことおんぶして再挑戦すると、見事乗りこなし、大成功!でも、これは転ぶと危険なため、ほとんどの地域で禁止されています。しかし、この7月から法改正され、専用の自転車に限って3人乗りが解禁されます。この自転車は太くて小さいタイヤが特徴で、重心が低く安定するようになっているのです。

 さて、今、自転車ツーキニストと呼ばれる自転車で通勤をする人が急増中!話を聞くと、自転車通勤は気分転換になり仕事がはかどるといいます。そこで4人のサラリーマンの方に協力してもらい実験です。皆、同じホテルに泊まってもらい、朝7時に起床。初日は徒歩と電車で通勤してもらいます。30分後にオフィスに到着したところで、2桁の足し算・引き算の計算問題100問を解いてもらい、タイムと得点を計測しました。電車通勤後の4人の回答平均タイムは6分24秒。平均得点は95点でした。そして翌朝も再び7時に起床し、今度は上野から新橋まで約7.5kmの道のりを自転車で通勤。30分後にオフィスに到着し、再び計算問題を解いてもらうと、平均回答タイムは5分37秒、平均点は98点に上がっていました。なぜ、自転車通勤で頭が冴えたのでしょうか?専門家によると、自転車を漕いでバランスを取ることで小脳が活性化し、さらに、視覚や聴覚を働かせて、交通安全に注意することで前頭葉が活性化するといいます。ならば、距離を延ばせばもっと脳が活性化するはず!と次の日は2倍となる約15km走ってから計算問題を解いてもらうと、タイムはさらに短縮、得点もアップしました!ならばと、翌日は30kmを走った後に挑戦してもらうと、回答タイムは40秒も遅くなり、得点もダウン…。実は、運動量が多すぎると、体と共に脳にも疲労が溜まってしまうのです。自転車通勤での仕事効率アップは、15kmほどまでの適度な距離が効果的なようです。

所さんのポイント
ポイント2
程よい距離の自転車通勤は、バランスを取ったり、安全に注意することで脳が活性化し、仕事の効率がアップするのだ!




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