知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


ゴミのポイ捨て防止策
第1037回 2010年6月5日


 昨年のミシュラン旅行ガイドで富士山や京都と並んで三ツ星を獲得した注目のスポット高尾山!標高わずか599mなのに、年間250万人以上と世界一の登山者数を誇る秘密とは?今回は、高尾山の人気の秘密を科学で解明します!

高尾山人気の秘密① 「とろろそば」
 なぜか高尾山の麓には名物「とろろそば」の看板だらけ。名物となった理由を老舗そば店の女将さんに伺うと、参拝者に精をつけてもらおうと、とろろを振る舞ったのが始まりだといいます。確かにとろろは栄養満点で滋養強壮に良いイメージがありますが、本当なのでしょうか?そこで実験!法政大学アメフト部の8人を2人ずつの4チームに分け、滋養強壮にいいと言われるものを3日間食べ続けてもらいます。それぞれの食事内容は、どんぶり一杯のご飯と、とろろ300g。ご飯とウナギ70g。ご飯とニンニク4g。そして、ご飯だけ。最低限必要なカロリーはご飯で確保します。3日後、再び8人に集まってもらい、3日前に走った10分間走のチーム平均記録と比較します。すると、ご飯だけチームは平均でわずかに15m増えただけ。ウナギチームは85m、ニンニクチームは130mアップでした。そして、本命のとろろチームは…残念ながら50mアップとイマイチな結果に。専門家によると、ウナギとニンニクには疲労回復に効果的な成分が含まれているものの、とろろにはほとんどないそうです。しかし、とろろとそばを組み合わせて食べることでより良い働きをするといいます。そこで実験!とろろ、そば、とろろそばを20代の男性3人に3日に分けて食べてもらいます。前日の夜9時から何も食べてない空腹状態にしてもらい、3つとも量を調節して、カロリーは全く同じです。そして、食べたものをどれだけエネルギーの糖分に変えているのか、食後30分から1時間毎に血糖値の変化を測定すると…そばだけを食べた後の血糖値はすぐに上昇しましたが、30分後から急激にダウン。一方、とろろと、とろろそばは下がり方が緩やかで結局3時間後には、そばが最も血糖値が低くなったのです。専門家に理由を伺うと、そばは消化吸収が早く、一方とろろはヌルヌルの食物繊維のおかげで消化吸収が遅いため、とろろそばは、先にそば、後にとろろと、2段階で栄養を吸収できるそうです。とろろとそばの組み合わせは長時間エネルギー供給が必要な登山にピッタリだったのです。

所さんのポイント
ポイント1
とろろそばは、消化吸収が早いそばと、消化吸収の遅いとろろの組み合わさった、登山にピッタリの食べ物なのだ!

高尾山の人気の秘密② 「天狗」
ムササビ飛ぶ姿「天狗と勘違いしていた!」  天狗が高尾山を守ってきたという伝説。いくつもの天狗像が並ぶ薬王院の方に話を伺うと、なんと日没後、薬王院の木に、天狗が現れるといいます。矢野さんが日没後、待ち伏せしていると…樹の上から物音がして、謎の生物が木の葉の間から飛び出してきました。その正体は、リス科の動物ムササビ!そして、あらゆる場所の距離をレーザー光線で計測できるマシンで、前の晩ムササビが飛んだ木と木の間の距離を計測すると、水平距離にしておよそ14.5m、時速18kmで飛んでいました。これは着地する樹がない場合でも35mほど飛ぶと考えられます。ムササビはえさ場となる豊かな雑木林がある高尾山に昔からたくさん住んでおり、その飛ぶ姿を見て昔の人は天狗だと勘違いしたのかもしれません。

高尾山人気の秘密③ 「滝行」
 高尾山は小さい山なのに、滝行を行う滝の数は3つあり、年間6000人もの人が滝に打たれるそうです。滝行が盛んな謎を解くため、まずは矢野さんが山の麓から30分歩いた場所にある琵琶滝に向かい滝行に挑戦!気楽な気持ちで入ったものの、水は身を切るような冷たさ!しかし実際の水温は14.0℃と感じていたほど冷たくないようです。さらに、琵琶滝と反対側に位置する蛇滝の水温は13.8℃で、3つ目の清滝の水温も14.1度と、3つとも水は意外に温かく14℃近辺だったのです。専門家に聞いてみると、3地点とも地下水を水源として形成されているというのです。地下水は、年間を通して水温がほぼ一定なのが特徴。さらに高尾山は地層が縦方向に傾いているので雨水が染み込みやすいそうです。水をたっぷり含んでいるから、高尾山は自然も豊かなんですね。

所さんのポイント
ポイント2
高尾山の滝の水源は、水量豊かで水温も一定の地下水なので、誰でも気軽に滝行を体験できるのだ!

高尾山の人気の秘密④ 「ゴミがない」
ミニチュア鳥居  高尾山の登山道は多くの観光客が訪れるのに、ゴミがほとんど見当たりません。一体なぜでしょう?実は高尾山にちなんだ、あるアイテムを置くとゴミが捨てられなくなるというのです。そこで、週末にバーベキュー客で賑わう多摩川で実験です!まずは、土曜日の夕方、ゴミがあちこちに捨てられていた場所を掃除して、翌日の日曜日にそのアイテムをおいて観察してみると…終日ゴミがポイ捨てされることはありませんでした。そのアイテムとは…「ミニチュア鳥居」。実は、鳥居は色々な自治体で不法投棄の防止に使われるほど効果があるのです。高尾山にはいくつもの鳥居があり、神様が宿る山とも言われているので、人々もマナーを守るようです。



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