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軟体人間!! インドヨガ
第1045回 2010年7月31日


 今年の夏休み海外特集はインド!今週はインドで生まれ、今やダイエットや美容を目的とするエクササイズとして世界中でブームとなっているヨガを科学します。

 本場のヨガを学ぼうとインドの首都・デリーにやってきた佐藤アナは、朝5:30に公園を散策。すると…公園は集団でヨガを行う人であふれかえっていました。実はインドの人たちにとってヨガは日本のラジオ体操のようなものなんです。さらに、皆さんは両足を首の後ろにかけたり、信じられないような超軟体ポーズを披露!佐藤アナが現地の先生に教わったのは、前屈をして両腕を腿の裏に入れて座る亀のポーズ!しかし、佐藤アナはまるでできません…。鼻に水を通す佐藤アナ (ジャラネーティ)実は佐藤アナは立位体前屈6cm、背中で手を組もうとしても指先が触れるのがやっとという、体の硬さ。そんな佐藤アナに先生が用意したのは…なぜか水差し。そしていきなり水差しを片方の鼻の穴に差し、なんと反対の鼻から水を出したのです。佐藤アナも挑戦し、苦しみながらなんとか習得!その次に、先生や皆さんは、なぜか一斉に大声で笑い出したのです。これで本当に身体は柔らかくなるんでしょうか?半信半疑で亀のポーズに再び挑戦すると…なんと今度は難なくできました!体の柔らかさを再度計測してみると、背中で組んだ手は指の根元まで届き、立位体前屈も、6cmから何と14cmに!一体どうしてでしょう?先生によると、ヨガはどんなポーズをするのにも呼吸が大切だと言います。実は、鼻に水を通すのは、呼吸をしやすくするため。大声で笑うのは自然に深く大きな腹式呼吸をする訓練だったのです。
 でも、本当に呼吸だけで身体が柔らかくなるのでしょうか?日本で実験です!街行く人がヨガの先生から腹式呼吸を教わり、5分間行った後と事前の立位体前屈の記録を比較します。すると…10人全員が腹式呼吸後に、平均で4.8cmも記録がアップ!確認のため腹式呼吸無しで2回目を計測してみると、平均1.3cmしか伸びませんでした。理由を先生に伺うと、腹式呼吸することにより、気持ちがリラックスし、筋肉が緩み、体が柔らかくなるそうです。

所さんのポイント
ポイント1
ヨガの基本である腹式呼吸は、気持ちがリラックスして、筋肉が緩み、身体が柔らかくなる効果を生むのだ!

 さて、デリーの郊外を訪れた佐藤アナ。そこで見たのは、裸で組み合い、投げ合う男達の姿。実は彼らはインド式レスリングの選手。佐藤アナを軽々頭の上に持ち上げたり、150kgもあるバイクを持ち上げたりとすごいパワー!しかし、このパワーの秘密もヨガにあるというのです。そこで、佐藤アナが力を強くするというヨガに挑戦!そのヨガとは「火の呼吸」という、鼻息が聞こえるほど力強い腹式呼吸。その速度はどんどん上がり激しさは倍増。おまけにヒンズースクワットまで開始!実はこれも呼吸を連続して行うためのヨガの一種なのです。佐藤アナはすっかり疲れてしまった様子でしたが、握力を測ってみると、火の呼吸を行う前の23.8kgから、29.3kgにアップ!スタジオで所さんも火の呼吸に挑戦すると、本当に握力がアップしました。街行く人でも火の呼吸実験を行った結果、8人全員が記録を上げ、平均で3.5kgもアップしたのです。確認のため、火の呼吸を行わずに2回目に握力を測ったところ、1回目に全力を出し切ったため、皆さんの平均は1・8kgダウン。この理由を専門家に伺うと、速い呼吸を行う事で、強い力を出す時の燃料となる酸素をより多く取り込むことができ、筋力がアップすると考えられるそうです。

 インドには、これらのヨガの技を極めたヨガマスターという達人がいると聞き、今度はヒマラヤ山脈の麓にあるヨガの聖地・リシュケシュへ向かった佐藤アナ。現地の道場では大人から子供まで、ヨガの修行に励んでいます。そしていよいよヨガマスターとご対面!しかし、ヨガマスターにいくら挨拶をしてもただ目を閉じて座っているだけ…なんとそのまま1時間全く動かなかったのです。実は、マスターは瞑想に入っていて、何を言っても反応しないんだとか。ヨガマスターの横で風船を割る直前の瞬間ならばと、許可をもらってこんな実験!至近距離で風船を割って、大きな音を出してみます。ちなみに日本でも一般の方に目を閉じて動かないようにと伝えて実験したところ、風船を割ると、みんな当然ビックリ。ところが、ヨガマスターは「バン!」と風船が割れても何と無反応!
 そこで今度は筆を使って手や足、さらには鼻までくすぐっても…まるで反応なし。
 そして5分後、ようやく目を開けたヨガマスターに話を聞くと、ヨガの中でも究極の瞑想に入っていたといいます。その時、身体はどんな状態になっているのでしょう?脳波計、心拍計、サーモグラフィを用意し、ヨガマスターの了解を得て、あらゆる角度から瞑想を検証します。そして、瞑想がスタート!最初の心拍数は100前後、体表面温度はおよそ36℃でしたが、時間と共に心拍数と体温が徐々に下がっていき、10分後には、心拍数は68までダウン。体表面温度はおよそ1℃も下がったのです!さらに脳波測定では、超集中状態にあることを示す、ミッドα波が多く出ていました。瞑想中は超集中状態になるため、心をコントロールできるのだそうです。

所さんのポイント
ポイント2
ヨガの究極技、瞑想とは、超集中状態に入り、心をコントロールできるので、何が起きても動じないのだ!




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