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お金を科学(秘)荒稼ぎ術
第1057回 2010年11月6日


 大不況の今、誰もが手にしたいのがお金。そこで今回は、不況の時こそ知っておきたい、お金に関する有名なことわざや格言が真実かどうか、科学で検証します!

①「地獄の沙汰も金次第」
 この世の全ては、お金で思い通りにできる、つまり「金がものをいう」とほぼ同じ意味の言葉。でもこれは本当なのでしょうか?そこで実験!用意したのは普通の唐辛子のおよそ6倍の辛さといわれている激辛食材ハバネロ!まずはハバネロを、商店街を歩く4人の少年たちに無償で食べてもらうようにお願いすると、全員拒否。そこで、食べれば100円をもらえると伝えてみたところ、4人中2人がわずか100円で心変わり。約束通りハバネロをかじった二人は悶絶してしまいましたが、少年たちにとっては100円が大きいのかもしれません。そこで今度はお父さんで実験。すると、辛いものは苦手と、無償では拒否しましたが、100円もらえると伝えた途端、OKしてハバネロをガブリ。結局大人子供に関わらず、無料では断った26人中なんと9人もの人がわずか100円で心変わりをしたのです。ならばと、さらに難しいお願いを。今度はゴキブリを素手で触ってもらうことに!は虫類のえさとして飼育されていた清潔なゴキブリとはいえ、もちろん無料では、皆さん拒否。ところが、100円を提示するとOKする人が続出。なんと20人中7人もの人が100円で心変わりしてゴキブリを触ったのです。「地獄の沙汰も金次第」は本当でした。100円で嫌なことができるようになった理由を、脳科学の専門家に伺うと、少ない報酬でも脳のドーパミン系が活性化され、やる気が高まるのだといいます。
トポグラフィ 赤く染まる前頭葉 そこで、先程と同じ状況を作り、光トポグラフィという装置で被験者の脳の状態を見てみることに。まずハバネロだけを見せた時、脳にはほとんど反応はありませんでしたが、「100円でどうでしょうか?」と言うと、脳全体に活性化を示す赤い部分が広がりました。特に重要なのは前方部分の変化。これは人間のやる気の素となる脳内物質・ドーパミンが分泌され、脳の前頭葉が活性化していることを意味します。100円玉の効果でやる気が高まり、通常は避けるような行為にもチャレンジするようになるのです。

所さんのポイント
ポイント1
たとえ少ない報酬でも、人間は脳が活性化され、やる気が高まり、いつもは避けるようなこともできるようになってしまうのだ!

②「金に目がくらむ」
 本来の意味は「お金が欲しいあまりに分別や良心を失うこと」。そこで、文字通り大金で人間は本当に目がくらむのかを検証!まずは何も知らされていない男性に、茶碗に入った豆を、お箸を使い、器の全ての穴に入れるまでのタイムを計る豆つかみゲームに挑戦してもらいます。1億円を前に挑戦(2分28秒遅くなった!)まずは普通の状態でタイムを計ったところ、4分2秒でした。しかし、ここからが本番!部屋に突然ケースに入った大金1億円が登場!そして、1億円を前にした状況で再びチャレンジしてもらうと、先程より1分近く遅い5分でフィニッシュ。5人の方にチャレンジしてもらいましたが、中には1億円に目がくらみ、手が震えて2分以上遅くなってしまった人も!2回目は作業に慣れるはずなのに、5人中3人のタイムが落ちてしまいました。
 そこで、再び大金を目にした人の脳の状態を見てみると…1億円を見た直後に、脳全体が真っ赤に!専門家によると、豆つかみのような集中力が必要な作業の場合は、脳の必要な部分以外の活動が高まってしまうと、逆にパフォーマンスが下がってしまうそうです。ちなみに、1億円を見た後にタイムが上がった2人は、実は目の前の1億円が表面以外は紙の偽物だと見抜いていたのです。

③「悪銭身に付かず」
 苦労せず得たお金は身につかずあっという間に無くなってしまうという意味のことわざ。これを検証するために、こんな実験!清掃のアルバイトとして募集した23〜34歳までの10人を、5人ずつの2組に分けます。Aグループには3時間で5000円という給料で公園を掃除してもらいます。そして3時間きっちり働いてもらった後、5000円を払いました。一方、Bグループには3時間2500円と、Aグループの半額の給料を提示して、同じく3時間働いた後に2500円を支給。しかし、Bグループには、予定にはない2500円の臨時ボーナスをさらに追加。これで、もらったお金は両グループともに5000円に。実はここからが実験の本番!10人に、街にある飲食店の中から自分の食べたいものを選んでランチをとってもらいました。まずは給料5000円を受け取ったAグループ5人の様子は…730円のうどんなど、メンバー全員が1000円以下で昼食を済ませました。一方、臨時ボーナスというあぶく銭をもらったBチームのメンバー達は、普段なら注文しないデザートを追加したり、高級うな重などを食べたりして、その平均額は1442円!やはり悪銭は身に付きませんでした。専門家によると、苦労して得たお金には愛着が湧き慎重に使うものの、臨時収入は自分のお金という感覚が薄く、つい多く使ってしまうのだそうです。

所さんのポイント
ポイント2
苦労せず臨時に得たあぶく銭は、自分のお金という感覚が薄いので、つい多く使ってしまうのだ!




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