知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


発見フランス人は猫舌
第1092回 2011年7月23日


 目がテン夏休み海外特集!今年の国は、フランス!この国での楽しみといえば、何と言ってもフランス料理!そこで、第1弾の今回は、佐藤アナが本場でフランス料理にまつわる様々な疑問を解明します!

①フランス料理はなぜコースなの?
 コースで次々と料理が出てくるフランス料理。しかし、家でもこんな食べ方をしているんでしょうか?そこで、佐藤アナがフランスの家庭にお邪魔して、夕食を拝見!あるカップルのお宅へ伺うと…まずはサラミにワインで乾杯!聞けば、これは前菜だと言います。お2人は共働きなので、冷凍食など出来合いの料理中心ですが、それでも一品食べ終わるたびにキッチンと食卓を往復し、給食で前菜を食べる子どもたちスープ→メイン→チーズ→デザートと順番に食べていたのです。なんと、フランスは家の食事もコース形式でした!続いて、3人家族の食事を見せてもらうと…こちらの家庭でもコースで食べていました。そして、小学校の給食風景も見せてもらうと…子ども達が一品食べ終わると、すかさず次の料理の配膳。なんと、給食までもがコース形式!フランスでは、子どもの頃からコース形式で食べる習慣が身についていたのです!

 ではフランス人は、順番に出てこない料理をどう食べるのでしょうか?そこで、日本料理店でフランス人に、全ての料理が一つの盆で出てくる和定食を食べてもらい、食べ方を観察してみました。すると…1つの料理を重点的に食べては、次の料理へ。前に食べた皿には一度も戻らなかったのです。つまり、定食でも順番を決め食べていたのです。一体なぜフランス人は徹底的にコースにこだわるのでしょう?その謎を解くため、フランス人男性3人に協力してもらい実験です!用意したのは、3種類の味が異なるパスタ。これを「わんこそば」ならぬ、「わんこパスタ」で何皿食べられるか賞金をかけて対決!2皿ごとにパスタの味を変えると…1人が9皿、2人が10皿でギブアップでした。そして翌日…ここからが実験本番!同じ3人に挑戦してもらうのは、3種類のパスタが1皿に盛られた、いわば日本の定食スタイルの特製パスタ。1皿あたりの量は前回と同じですが、食べる量に影響は出るのでしょうか?再び賞金をかけて対決!すると…早くも3皿目でつらくなった様子の男性が、「今回は美味しくない」と文句を言い出しました。どうやら味の違うパスタが一緒に盛られているのが嫌な様子で、わざわざ皿の上で3つに分けて食べていました。この男性は5皿でギブアップ。残りの2人もそれぞれ4皿と5皿で終了。なんと全員が前日の半分しか食べられなかったのです!この食べ方が嫌な理由を尋ねると、「見た目も混ざり、味も1つ1つ楽しめなくて食べにくかった」とのこと。つまりフランス人がコースこだわるのは、料理の味が混ざるのが嫌だからだったのです!しかし2日目の実験は味に飽きてしまっただけという可能性もあるため、別のフランス人2人に、初日は3種盛り、2日目は1皿に1種類と、順番を代え挑戦してもらいました。すると、やはりコース形式の2日目は、初日の倍の量を食べたのです。

所さんのポイント
ポイント1
フランス人が一皿ずつのコースにこだわるのは、異なる料理の味が混ざってしまうのが嫌だからだった!

②フランス人は、なぜ食事時間が長い?
 フランス人の食事を観察してみると…食事中のおしゃべりがとても多い事に気づきました。そこで、パリのビジネスマン3人組のランチを観察、会話時間を計測します。すると…誰かしら常に話している状態で食事が続き、なんと、およそ45分の食事中、会話が止まった時間はわずか1分程度。他の3人組を観察してみても…、やはり1時間ほぼしゃべりっぱなしでした。そこで、こんな実験!フランス人の仲良し3人組に、ベテランシェフが腕をふるった看板メニューを食べてもらいます。ただし、3人はそれぞれ離れて座り、会話不可能な状態。当然ながら、短い時間で完食です。料理の味を採点してもらうと…全員が70点前後と、意外にも高得点でした。そして6時間後、ディナータイムに同じ3人に、同じ料理を食べてもらいます。しかし今度は、テーブルを囲みながらの食事です。さらに!同じ料理でも、作ったのは修行歴2年の見習いシェフ。料理の見栄えもイマイチ…なのですが、3人は楽しそうに会話を弾ませ、料理を楽しんでいます。そして、同じように料理の味を採点してもらうと…なんと2人が90点台をつけ、全員が大幅にアップ!ネタバラシをすると、驚いた3人でしたが、会話があると料理を美味しく感じるようです。おしゃべりは欠かせないスパイス!だからこそ、食事時間も長くなるようです。

③フランス料理は、なぜ音を立ててすすらない?
鍋焼きうどんを口から戻し、顔をゆがめる女性  食事のマナーに厳しいフランス料理。中でもタブーは音を立ててすすること。では、フランス人は熱い料理をどう食べるのでしょう?そこで、フランス人と日本人の男女計4人に、熱々の鍋焼きうどんをコンロで火をかけたままの状態で、早食い対決!すると…日本人の男女はあっさり完食しましたが、フランス人は大苦戦!汁も煮立って無くなった後、日本人より5分も遅い、20分以上もかけてようやく完食。音を立ててすすれないフランス人は、熱い料理は苦手だったのです。
 そもそも日本人は音を立ててすすることで、口に空気を含み、料理を冷ましながら食べています。では、フランス人は熱い料理が出てきた場合、どうするのかを専門家に伺うと…「熱い料理は冷ましてから食べる」とのこと。実際にラーメンを食べるパリのフランス人の様子を観察すると?よくかき混ぜて麺を冷ましてから、すすらずに口に運んでいました。

所さんのポイント
ポイント2
フランス人は、料理を食べるときに、音を立ててすすれないので、熱い料理は冷ましてから食べるのだ!




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