コラーゲン
で美肌実験
第1106回 2011年11月19日
いよいよ冬本番!そこで今回は、街で聞いた、この季節特有の身体の悩みを解消すると言われる
冬の食べ物
の効果を、科学で徹底検証します!
①コラーゲン鍋は、どれだけ肌がプルプルになる?
冬の悩みといえば、「乾燥肌」。街でその「対策」を聞くと…肌がプルプルになるという、コラーゲン鍋を挙げる女性が多数。では、どれだけ肌がプルプルになるのか実験です!
20代と40代、各4人の女性8人が、クジ引きで2つのグループに分かれ、片方には普通の寄せ鍋を、もう一方には、同じ具材に、300gものコラーゲンボールを加えた特製の鍋を食べてもらいます。
そして、全員がスープまで飲み干し、完食。迎えた翌朝…鍋以降、他の食事は一切摂っていない状態で、再び集合。正確に計測するため、8人は石鹸で洗顔し、温度と湿度が一定の部屋で20分待機。専門家が肌の弾力を数回に渡り入念に計測し、前日との差を発表します。まずは、コラーゲン無しチームの結果は…なぜか4人中3人が、5〜6%アップ。しかし、先生によると、「弾力の±5〜10%は誤差の範囲内と考えられる」そうです。続いて、
コラーゲンありグループの結果発表。「弾力が良くなった」と、実感を口にするほど、自信満々でしたが…1人だけ15%アップしたものの、中には下がってしまった人まで。他の2人も誤差範囲内という、一同がっかりの結果に…。つまり、コラーゲンを大量に食べても、弾力は変わりなかったのです!
先生によると…「もし、コラーゲンを半年や一年など長い間食べ続ければ、弾力が上がる可能性はあるが、一度食べたぐらいでは弾力は上がらないと思われる」とのこと。
では、
皆さんが実感したプルプル感の正体は?その謎を解明すべく、今度は、肌の水分も測定。すると…コラーゲン無しグループは全員±10前後と、弾力と同じく誤差の範囲内の増減でしたが、コラーゲンありグループは、平均で+51.8%と、全員が大幅にアップ!つまり、肌のプルプルは水分が増えたことによるものだったのです!
さらに、水分が増えた謎を解くため、今度は肌の油分を測定。すると…コラーゲンなしグループの平均は−1.8%だったのに対し、コラーゲンありグループは平均+7.8%も増えていました。
実はこれこそ、水分が大幅に増えた理由。先生に詳しく伺うと…「コラーゲン中のアミノ酸が血中に取り込まれ、皮脂腺を刺激し分泌を促した可能性があり、この皮脂が、乾燥を防ぐバリアとなり水分も上がったと考えられる」そうです。
コラーゲンは、一度食べただけでは弾力はアップしないが、肌の皮脂が分泌され、水分を閉じ込めるバリアとなり、乾燥を防ぐのだ!
②ショウガ湯はどれほど身体を温める?
続いては、女性の大敵「冷え性」。その解消法として、多く挙がった対策は「ショウガ湯」。そこで、どれほど身体を温める効果があるのか実験です!女性に、まずは比較のため、60℃のお湯200mlを1分間で飲んでもらい、サーモグラフィで手の体表面温度を計測します。すると…3分経過した頃から手が温まり、10分経っても、サーモグラフィの映像では赤いままでした。そして、2時間の休憩を挟み、ここからが本番!
今度はショウガを3個すり下ろした、50mlものショウガエキスを、お湯ではなく水に混ぜた、超濃厚ショウガ水を同じ量飲んでもらい、純粋にショウガがどれほど身体を温めるのかを調べます。すると…3分後、サーモグラフィを確認してみると、温度は上がらず、10分経過しても手の平は青いままでした。ところが、さらに観察を続けると…14分後、わずかに指が黄色く変化し始め、18分後には指先はドンドン赤くなりました。
先ほどのお湯と比べてみると、お湯は18分後には手の平が冷えていたのに対し、ショウガ水は25分後も赤いままでした。
確認のため、もう1人の女性でも実験を行うと、同様にお湯はすぐに温まりますが、時間が経つとショウガ水が逆転!
つまり、ショウガは後から温かくなることが判明しました!この理由を専門家に伺うと…「ショウガに含まれるショウガオールという成分が消化管から吸収されることで代謝を高め、体の中からゆっくり温まる」そうです。さらに、ショウガ湯でも同じ実験を行った結果、飲んだ数分後から、長く温まり続けることがわかりました。
さらに、ショウガオールは加熱することで増加するので、ショウガ湯は、冷え性にピッタリの飲み物だったのです。
ショウガ湯は、まずはお湯で身体を温め、さらに、加熱することで増加するショウガオールという成分のW効果で長く身体を温めるのだ!
③お酒を飲む前の牛乳は、どれほど「二日酔い」を防ぐ?
続いての冬の身体の悩みは、飲み会続きによる「二日酔い」。でも、昔から「牛乳が胃に膜を張ってアルコールの吸収を抑える」なんてよく耳にしますよね?そこで、効果を確かめるため、こんな実験!
男性4人に、比較のため1日目はコップ一杯の水を一気飲み、2日目は同じ量の牛乳を一気飲み。その15分後に、ビール500mlを5分間かけて飲んでもらい、呼気中のアルコール濃度を15分毎に計測、0になるまでの時間を比較します。すると…4人の呼気中アルコールが0になるまでの平均タイムは、牛乳の方が27分も早かったのです。
そこで、牛乳が本当に胃に膜を張っているのか、胃カメラで観察してみました。空っぽの胃の中に牛乳200mlを注入すると…すぐに膜を張り始め、5分経っても牛乳が塊になり胃壁に残っています。
さらに、今度はビールを注入!すると、膜は洗い流されずにそのままでした。牛乳が胃に膜を張る効果を専門家に伺うと…
「牛乳のたんぱく質や脂質が胃の粘膜のヒダの間に埋まり、アルコールの吸収が遅まることで肝臓の負担が減り、アルコール分解率が高まると考えられる」
そうです。ただし、今回の実験では1杯分しか検証していないため、2杯目以降の効果は不明。くれぐれも飲みすぎにはご注意を!