知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


散歩 の科学
第1207回 2013年12月22日


 今回の目がテンは散歩の意外な効果を科学します!

散歩のスゴイ効果1 「だらだら歩く散歩でも運動になる?」

 健康のために歩くといえばウォーキング。では、ただゆっくりと歩く散歩は本当に運動になるのでしょうか?ウォーキングの講師を迎えて、ご存知散歩の達人「阿藤快」さんが体を張って検証します!

 ウォーキングと散歩の運動量の違いを比較するため、まずは正しいウォーキングを学びます。

【正しいウォーキングのやり方】
(1)腕を平行にやや後ろに意識して振る。
(2)歩幅は普段より広くして歩くことを意識。
(3)スピードはいつもの歩きよりちょっと速め。

 そんなウォーキングと散歩をそれぞれ20分行い、消費したカロリーを専用の機械で計測します。ウォーキングは、20分で136kcalを消費しました。
 続いては、阿藤さんお得意の散歩で同じく20分歩いた時の消費カロリーを計測します。腕の振りも歩幅も気にせず、周りの景色を楽しみながらのんびり散歩。すれ違う人に手を振る余裕も。歩き終わった阿藤さんは「そんなに消費カロリーを使ってない感じがする」とのこと。ところが、その消費カロリーは、120kcal。それほど、ウォーキングと変わらなかったのです。ちなみに、120kcalとはご飯茶わん3分の2杯ほど。バナナだと1本と半分。スライスハムだと8枚に相当します。他にも5人の方に散歩とウォーキングを20分ずつ行ってもらいましが、ウォーキングには及ばないものの、散歩も十分にカロリーが消費され、運動になっていたのです!

 さらに、専門家によると「散歩とウォーキングでは時間の進み方が違って感じる」とのこと。いったいどういうことなのか?目がテン大実験!都内にあるお寺の門前をスタートし、30分経ったと思ったら歩くのをやめてもらいます。まずはウォーキング。腕を大きく後ろに振り、広い歩幅でスピードをキープ、教えられたポイントを守りながら歩く阿藤さん。阿藤さんが30分経ったと感じてストップ!気になる実際のタイムは?「20分49秒」ウォーキングでは30分より10分近くも短いタイムで歩き終えてしまいました。
 今度は、散歩スタイルで30分経ったと感じる所まで歩いてもらいます。自分のペースで街をぶらぶら楽しそうに歩く阿藤さん。ストップした実際のタイムは「34分25秒」30分を5分近くもオーバー。確かに、散歩とウォーキングでは時間の感じ方に違いがあるようです。他に5人の方でも同様の実験を行ったところ、全員、散歩の方が長く歩いたのです。中には、ウォーキングと20分以上も差が出た人も。なぜここまで時間の進み方が違って感じるのか、専門家に伺うと「感じられる時間というのは体の代謝の状態によって変わり、感じられる時間の長さを決める心の時計というものがある」とのこと。心の時計とは、人がそれぞれ持つ時間の感覚。つまり、代謝が上がるウォーキングの場合、心の時計が速く進み、自分が時間が経ったと思っていても、実際には時間が経っていない状態。それに比べて、散歩の時はそれほど代謝が上がらず、心の時計がゆっくり進むので、自分が感じるより実際には時間が経っているのです。

所さんのポイント
ポイント1
散歩は長い時間歩く傾向があるので、ウォーキングに負けないくらいカロリーが消費されるのだ!

散歩のスゴイ効果2 「散歩が脳に良い効果を与える?」

 斬新な発想で数々のヒットアイテムを生み出した、アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ。そんな彼が取り入れていたのが歩きながら会議をする「散歩ミーティング」。そこに一体どんな意味があるのでしょうか?脳の働きを研究する専門家に伺うと、散歩をすると発想力がアップするというんです。
 そこで、「阿藤快」さんがこんな実験に挑戦!行うのは、発想力が問われる連想ゲーム。例えば、雪→白→ウサギ→跳ぶのように前のキーワードから連想される物を挙げ、1分間で何個、発想できるかを見ます。あいまいな答えや本人の思い込みはカウントされません。まずは、比較のため歩かない状態、その場で挑戦。結果は6個でした。
 それでは、ここからが実験本番!散歩の要領で歩きながら回答してもらいます。その結果は…「16個」なんと、歩くと大幅に回答数が増えたのです。他の5人も全員軒並みアップ。歩いた場合、1人を除いて全員の回答数が2倍以上になったんです。専門家によると、歩くことで足を含む全身の筋肉収縮によるポンプ作用で、血液の循環が促されます。そのため、脳が活発に働くというのです。実際に専用の機械で計測すると、歩き始めた途端、脳の血流量がアップしていたのです。

所さんのポイント
ポイント2
歩くことで脳の血流量が上がり、発想力を高める前頭前野が活性化するのだ!

ノーベル賞学者「小柴昌俊」さんの散歩に密着…どんなコースが良い?

 御年87歳の小柴昌俊先生も実は散歩の愛好家。ノーベル賞につながる研究をしていた頃は、毎日散歩したとのこと。そこで、小柴さんの散歩に密着し、それを専門家に見てもらいました。すると「五感をしっかり働かせて周りの環境を感じている」「緑の多い環境での散歩はリラックス効果がある」など、小柴さんの散歩にもしっかり効果が隠されていたのです。さらに、より効果的な散歩コースを紹介!

【散歩の専門家が教えるオススメ散歩コース】
(1)コースの中に「自分が興味のある場所」を入れることで、歩くモチベーションが上がる。
(2)「坂道や階段」はモモの筋力を強めたり、心臓や肺の力を強めたりしてくれるので運動効果が上がる。
(3)「公園の芝生」などを歩くことで足の指やバランス力を鍛えることが出来る。
(4)「ベンチ」を使って、ストレッチを取り入れることでケガをしにくい、散歩が楽しめる。

所さんのポイント
ポイント3
コースを少し工夫するだけで、効果的な散歩になるのだ!




スポーツ編へ人間科学編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧
番組に対する、ご意見、ご感想等ございましたら、番組メールボックスの方にお寄せ下さい。
宛先は、 megaten@ntv.co.jp です。
原則、質問にはお答えできませんが、頂いたメールは、番組スタッフが閲覧し、今後の番組作りの参考にさせていただきます。