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浅草 の科学
第1243回 2014年9月14日


 人気再燃中!年間およそ3000万人が訪れる浅草の魅力を科学で解明!

①浅草、人気の秘密は「懐かしさ」

 浅草を訪れた観光客に、その魅力を聞いてみると、皆さん口を揃えて言うのが、懐かしさやノスタルジー。そこでナイツのお2人に浅草ノスタルジースポットを案内してもらいました。2人が訪れたのは、懐かしさ漂う喫茶店。店内に飾られた調度品はさながら昭和モダンといった趣。出されたメニューも昔ながらのナポリタン。さらに、こちらの大衆食堂では、近所の人が集まって競馬中継を見る。これもどこかノスタルジックな風景。こうした懐かしさが浅草の人気のヒミツなのでしょうか?脳機能の関係を研究している専門家によると、浅草の街を見ると懐かしさ感じて脳が活性化するとのこと。

 そこで実験。70代の男女4名に脳の血流量がわかる装置を頭に付けてもらい、浅草の風景映像と、比較の為に渋谷の風景映像を30秒ずつ交互に、3セット見てもらいます。映像を見終わったあと、4人の脳の血流量を、個人差をなくすため平均で割り出しました。
 意欲を司る前頭葉近辺が赤くなれば血流が多く脳が活性化したことになるのですが、渋谷の映像では黄色のままです。そして浅草は…前頭葉近辺が全体的に赤くなりました。脳が活性化していることを示しています。浅草の街並みを見ると、懐かしさを感じて脳が活性化、やる気や元気が出ることが人気のヒミツだったようです!

所さんのポイント
ポイント1
浅草の街を見るとやる気が出るのだ!

②仲見世では誰もが買い物好きになる!?

 浅草の人気ナンバー1スポットと言えば浅草寺。山門の雷門から続く仲見世は常に人通りが絶えず、月間で3億5000万円も売り上げる超人気商店街!でもなぜこんなに買い物をするんでしょうか?観光客に聞いてみると、人で賑わっているとつい買ってしまうと言うんです。一体どうしてなのか?専門家に聞いてみると…仲見世は、横幅わずか約5m、長さ約250mの範囲に89店舗がひしめき合うため人で賑わっています。この混雑が、仲見世を楽しい場所と感じさせ普段買わないようなものも買いたくなるというんです。ということは、浅草と何の関係もない商品でもこの効果で売れてしまうのでしょうか?

 そこで実験! 浅草と何の関係もない商品。ユージのブロマイド写真を1枚300円で売り出してみました。浅草効果で売れるんでしょうか!?
 まずは比較の為、道幅が広く、さほど混雑していない商店街で売り出します。雑貨屋さんに協力してもらい、店頭の一番目立つスペースをお借りしました。カメラを設置し、その様子を裏で番組スタッフがチェック。ブロマイドに気づき指をさしたり、足を止めた人が50人になるまでカウント!このうちの何人が買うかを検証します!果たしてユージのブロマイドは売れるのか?
 50人が気付くまで実験を続けることおよそ3時間。買った人は・・・ゼロ!そもそも購入に悩む気配すら見えませんでした。
 ここからが本番!普通の商店街では全く売れなかったユージのブロマイド。いよいよ仲見世に置いて実験開始です!先ほどの商店街よりも明らかに混雑している仲見世。もちろん50人が認識したら終了です。すると…結果、50人中3人がお買い上げ!狭い作りで混雑している仲見世は確かに、購買意欲を促進させられるようです。

所さんのポイント
ポイント2
実際に、仲見世では浅草と縁もゆかりも無い1つ目サングラスが1日50個も売れているのだ!

③浅草グルメに科学で迫る!

 日本で洋食が広く食べられるようになった明治から大正時代。東京随一の繁華街と呼ばれた浅草にはたくさんの洋食店ができました。今も浅草には老舗の洋食店が数多く点在しています。ナイツの2人が訪れたのは浅草で洋食を作り続けて30年、レストラン大宮。二人が注文したのは洋食の定番で店自慢のハンバーグステーキ1700円。酸味とほどよい苦味が効いたデミグラスソースがお肉と合わさり、絶妙のハーモニーが口の中に広がります!様々な料理のベースになる、洋食の命デミグラスソース。元々はフランスの宮廷料理として誕生。しかし1970年代、フランスでは素材の味を活かす調理法が広まり、ほとんど使われなくなったそうです。一方日本ではデミグラスソースが独自の進化を遂げ今なお愛されています。このレストランのデミグラスソースは2週間かけて作られています。そしてソースを作るときの最後の仕上げは、出来立てのソースを今まで使っていた古いソースに継ぎ足し。これで完成するんです。30年変わらないという継ぎ足し調理法。これがデミグラスソース、おいしさのヒミツ!?

 そこでこんな実験!男女10人にビーフシチューを食べ比べてもらいます!Aが継ぎ足しデミグラスソースで作ったビーフシチュー。Bが新しいソースだけで作ったビーフシチューです。まずはAの継ぎ足しソースから。そしてBの新しいデミグラスソース。どちらがおいしかったか聞いてみると…10人中8人がAの継ぎ足しソースを選んだんです!違いを聞くと、継ぎ足しのデミグラスソースにだけ"コク"を感じたとのこと。この"コク"って一体なんなんでしょう?継ぎ足しと新しいデミグラスソース両方の味の成分を分析してみると…甘味、塩味、酸味、苦味、旨味5つの味はほとんど変わらなかったんです。一体なにが違うのか?専門家に聞いてみると…「実は最近、代表的なコク味成分であると言われているグルタチオンがうま味成分の感度を上げるということがわかってきています。つまりコク味成分は他の味を感じやすくする役割を担っている」とのこと。舌が味を感じやすくなるという、コク味成分グルタチオン!さっそく、継ぎ足しと新しいデミグラスソースのグルタチオン量を測定してみると…なんと!継ぎ足しソースの方がおよそ1・3倍グルタチオンの量が多かったのです!ソースを継ぎ足すヒミツ、それはおいしさを感じやすくする効果を生んでいたんです。

所さんのポイント
ポイント3
科学の世界では長年ナゾとされていたコクの正体が近年、解明されつつあり、その一つが舌を敏感にして味を感じさせやすくさせる成分グルタチオンだったのだ!




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