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タマゴのおいしい食べ方 の科学
第1318回 2016年3月20日


 毎日の食卓に欠かせない万能食材「たまご」。たまご焼きにゆで卵、オムライスなど、様々な料理がありますよね。
 そんなタマゴの"本当においしい食べ方"を科学の目線で徹底調査!今日から真似したくなる!タマゴの"本当においしい食べ方"を科学します!

①物理学で卵の"理想の割り方"を研究!

 卵料理を作る時に、まず行うことと言えば…そう!"卵を割ること"。みなさん、普段どうやってタマゴを割っているのでしょうか?
 多くの人が、ボールのふちで卵にヒビを入れています。しかしこの割り方には問題が!殻が入ってしまったり、黄身がつぶれ、失敗してしまう人も。
 では、プロの料理人はどうやってタマゴを割っているのでしょうか。オムライスの名店、たいめいけんの茂出木シェフに、タマゴの割り方を見させてもらうと…平らな面を使って、卵にヒビを入れています。しかし、プロの平らの面で割る方法に疑問を呈する専門家が!
 物体の破壊について研究する千葉大学 佐藤准教授に聞くと、「平面が最善の方法ではない」と、プロの方法もベストではないというんです。
 すると佐藤先生、ヘルツの接触理論を提案!これは、ドイツの物理学者「ハインリヒ・ヘルツ」による曲面の接触部分にかかる圧力の理論。これを卵の割り方に応用…そしてついに!卵を上手に割る方法が導き出されました。その方法とは…「上手に割れて、力も弱く割るということが重要。その場合に、ワインのような円形をして、細長いというのを相手にして、卵をぶつけて、叩いて割るというのが良い」と分析。なんと!「ワインの瓶」で割るのが、最も上手に割る方法だと言うんです。そこで、さっそく試してみると…ワインの瓶で割ると、平らな面の時と違い、真横に大きく長いヒビが入っています。真横にヒビが入るため、卵を上手に割ることができます。
 角でタマゴを割ると、横にヒビが入り、割りやすいのですが、小さく割れた殻が混入してしまう事があります。一方、平らな面で割ると、殻は大きく割れるため混入しづらいのですが、割りたくない方向にヒビが入り、失敗してしまうことも。その点、ワインの瓶は、"角の部分"と"平らな部分"、両方の利点を兼ね備えており、横にヒビが入り、殻も小さくならないため、卵を上手に割ることができると言うんです。

所さんのポイント
ポイント1
物理学から導き出された"卵を上手に割る方法"は、ワインの瓶を使うことだったのだ!


②目玉焼きに合う"新しい調味料"とは?

 卵料理の代表格と言えば…「目玉焼き」。皆さん、普段何をかけて食べているのでしょうか?街の100人に聞いた、「目玉焼きにかける調味料ランキング」は「1位しょうゆ・2位塩コショウ・3位ウスターソース・4位塩・5位マヨネーズ」。上位を占める定番の調味料以外にも、様々なものが使われています。でも、なぜこんなにも好みが分かれるのでしょうか?卵調理の専門家、東京家政大学・栄養学科の峯木眞知子教授に聞いてみると、「卵はコクとか旨みがないのが特徴。水分量も多く、卵白が90%水分、卵黄が50%水分。なので調味料が色んなものが合う」と分析。ならば!定番の調味料以外にも、目玉焼きと相性バツグンの調味料はまだまだあるはず!そこで!目玉焼きに合う"新たな調味料"を探すべく、専門家たちによる「目玉焼きサミット」を開催!参加するのはこの方々!ホテルオークラ東京の洋食調理の総料理長池田順之シェフ。卵の正しい知識を理解した人にのみ与えられる"たまごソムリエ"の資格をもつ友加里さん。手作り調味料研究家のオザワエイコさん。そして、卵調理の専門家、東京家政大学の峯木眞知子教授。サミットには、「目玉焼きに合うと思う調味料」を各自2種類用意、調味料は組み合わせたものでも良しとします。
 評価は、0点を基準に、−5点から+5点までの11段階で行います。
 まずは、峯木先生推薦の調味料「黒酢」から。黒酢と目玉焼き、その相性は…評価が分かれ、結果は8点。続いて、手作り調味料研究家オザワさん推薦の調味料は、塩こうじに数滴のタバスコを入れた調味料。点数は…黒酢と並び、塩麹タバスコも8点。続いて、たまごソムリエ友加里さん推薦の調味料は、鶏ガラスープの素を水で溶いただけのもの。これはみなさん軒並み高評価で点数は10.5点。暫定トップに!そして、池田シェフ推薦の調味料は、しょう油とチョコレートシロップを1対1で混ぜ、ごま油を少し加えたもの。そしてアクセントに、七味唐辛子を振りかけます。結果は…鶏ガラスープには及ばず8点。続いて2巡目に入り、峯木先生のナンプラーは5点。オザワさんのキムチだれは2点。そして、友加里さんのハチミツは5点と、依然として、鶏ガラスープの素は越えられず・・・。
 そんな中、池田シェフが気合いを入れて作ってきた「玉ねぎみそソース」。作り方は、玉ねぎ120g、白みそ50g、しょうゆ20g、砂糖20gを混ぜ、仕上げにオリーブオイル70gを混ぜるだけ。
 点数はなんと、高得点の10点!そして、合計8種類の試食が終了。専門家たちが選ぶ、目玉焼きに合う新たな調味料は、10.5点を獲得した「鶏ガラスープの素」に決定!

所さんのポイント
ポイント2
鶏がらスープの素は、目玉焼きと相性バツグンなのだ!


③黄身だけご飯の二杯目で"絶品白身かけごはん作り"に挑戦!

 卵の"お手軽料理"といえば、アツアツごはんにかけて食べる「卵かけご飯」。最近では、卵かけごはんのお店も登場し、人気の卵料理なんです。
 そんな中、美味しい食べ方を突き詰めた"卵かけご飯のプロ"を発見!それは…卵かけご飯を食べ続け、本まで出版した「森田明雄」さん。今回、卵には目がない安村アナウンサーが、卵かけご飯のお店で、森田さんオススメの食べ方を教えてもらいます。1品目は、さっぱり味の卵かけご飯。その名も・・・「シラシソシラスTKG」。ご飯の上に大葉としらすを乗せ、ゆずコショウを溶いたしょう油をかけて仕上げにパラパラと海苔をかけるだけ。2品目は、見た目も鮮やかな"洋風卵かけごはん"。材料は、カットしたトマトとバジルソース、そしてタルタルソースの3種類。これを、ご飯の上にのせるだけ。その名も…「トリコロールTKG」。このように、卵かけご飯の可能性は無限大なんです!そんな中…意外と多いのが"黄身だけ派"。さらに、多くの人は残った白身を捨てているそう。これはもったいない!
 そこで!森田さん協力のもと、残った白身で2杯目も美味しく食べられる"白身かけご飯"作りに挑戦!森田さんも、未だ成功したことがないという白身かけご飯。さっそく試作を開始!まず試したのは、黄身の変わりに卵は卵でも魚の卵「明太子」。しかし、明太子の味が強すぎて卵白の味が消えてしまいました。続いて、森田さんが試したのは「アボカド」。これに、レモン汁など調味料を加えます。その後も、様々な組み合わせを試し、食べて、食べて、食べ続けて…試行錯誤すること、およそ2時間。ついに、理想の"白身かけご飯"が完成!
 そのレシピは、材料は「めんつゆ」「ごま油」「なめたけ」の3種類。分量は、めんつゆは大さじ1杯、ごま油は小さじ1/2杯なめたけは、小さじ1杯。所さんが試食すると…なんと!「目がテン史上イチバン美味い!」と大絶賛!では、なぜこの組み合わせが美味しく感じるのか?卵調理の専門家、峯木教授によると、「白身そのものにはコクがなく、味の強いものや旨味が必要となります。そこへ、なめたけの核酸系と、めんつゆに含まれるイノシン酸やグルタミン酸など、様々な旨味成分が合わさることで、"旨味の相乗効果"が生まれ、美味しく感じられる」と分析。

 そして実は今回で、ユージさんが目がテンを卒業!
 2012年の4月から約4年間に渡り、実験プレゼンターとして数多くの実験を行ってきたユージさん。今までお疲れ様でした!!



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