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発見!能登沖の 沈没船  #479 99/05/02

 去年、空前の大ヒットを記録した映画といえば、「タイタニック」。氷山との激突で海の藻屑と消えた大型船にまつわるロマン溢れるストーリーでした。古今東西、船が沈没したという話はあまたあります。海外では魔の海・サルガッソー海が有名ですが、日本にもそんな海域があります。それが、日本海・能登の海。かつてここは難所としていくつもの船が失われていきました。沈んでいるのは、「北前船」と呼ばれているもの。江戸から北海道へと様々な品物を運んでいました。中には財宝を積んだ船もあると言われているのですが・・・
 
沈没船セット  宝探しに燃えて、意気揚々と能登の海に繰り出した矢野さん。気合いだけは人一倍です。捜すポイントは江戸時代に、伊万里焼などを大量に積んだ北前船が沈んだという話が伝わっている姫島礁という暗礁。まずは、暗礁の近くでエンジンを止め、風まかせだった当時の船と同じ状態にして、どこで座礁したのか推測してみます。座礁したポイントの近くにお宝があるのではないか、というのですが・・・しばらくすると、なぜか船がだんだんと姫島礁に引き寄せられていくではありませんか!暗礁の付近では、急に水深が浅くなっているため、ゆっくりだった潮の流れが急に速くなり、船が吸い寄せられるように近づいていってしまうのです。
 
 
所のポイント能登の海は日本のサルガッソー!

 
 姫島礁付近で海中に潜り、沈没船探しを始めた矢野さん。既製品が身体に合わなくて、特注となってしまったウェットスーツが怪しく光ります。暗礁付近は大きな岩があたり一面に点在し、水深2〜3メートルになっている場所がそこかしこにあります。これは危険です。海中にはうっそうと海草が繁り、なかなか見つかりません。目に飛び込んでくるのは魚ばかり。ところが、よく見ていると、熱帯魚のような魚から、カサゴなどの寒いところの魚まで、いろんな魚がいます。実は、能登の海は暖流の対馬海流と寒流のリマン海流がともに流れ込んでいるため、魚の種類が豊富なのはもとより、海難事故の原因となる複雑な潮の流れを作り出しているというわけなのです。
 
 矢野さんが捜している北前船は、主に江戸時代に作られたもの。鎖国政策のために外洋に出られるような大型船の建造が禁止された時代で、北前船自体は小さくて簡単な構造のうえに、荷物が多く積めるように甲板が取り外せるようになっていて、構造的には非常に遅れた船でした。そのため、過積載をすることが多くなり、水面から出ている部分が少なくて海水が底にたまりやすく、一方、重心は高くなって転覆する可能性が高かったのです。
 
 
所のポイント和船はとても沈没しやすい遅れた船だった!

 
水中映像  簡単には見つからない沈没船。お宝を求めていままでに数多くの人が捜索しているのですから、当然といえば当然です。しかし、矢野さんがとある情報をキャッチ。かなり昔のことですが、沈没船のいかりを引き上げたことがあるというダイバーに協力してもらえることになったのです。記憶を頼りにそのポイントに出向き、魚群探知機を用いて確認してみると、何やら影らしきものが浮かび上がってきました。引き上げた部品や海中の映像を元に分析してみると、明治の頃の北前船の末裔だということが分かったのです。
 

 
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