2回目でもおいしい!目がテン!?ライブラリー

科学で挑戦良い 作り  #480 99/05/09

土を炒る周さん  最近ブームになっているもののひとつ、ガーデニング。春から夏にかけて、シーズンまっさかりです。ガーデニングには欠かせないとても重要なもの、それは種でも苗でも肥料でも水でもなく、ずばり「土」。土しだいで、全く作物の出来映えが違ってしまうというから驚きです。  そもそも土とはいったい何なのでしょうか?土壌学の先生にお伺いしてみると、 なんと「土」と「そうでないもの」に分けることが出来るというではありませんか。先生が言うところの土は、真っ黒、そうでないものは茶色です。そこで、実際にその違いを確かめるために、なぜか中華料理屋に行くことにしました。さっそうと登場したのは、中華の達人・周富徳さん。おもむろに真っ黒な「土」を炒めはじめました!すると・・・だんだん赤くなっていくではありませんか!しばらくすると、「土でないもの」と同じ茶色になってしまいました。実は、土とそうでないものの違いは、「腐植」が含まれているかどうか。腐植とは、元々赤っぽい火山灰土に、コケなどが生えて、それが分解された物。腐植があると、それが養分となって植物が育ちやすいのです。だから、腐植があって初めて土と言えるというわけです。
 
 有名な昔話、「花さか爺さん」は、愛犬ポチのここ掘れワンワンの合図で小判を掘り当てた爺さんが、それを妬んだいじわる爺さんにポチを殺されてしまうお話。ラストシーンでは、ポチの形見の臼を燃やした灰を枯れ木に撒くと、見事花が咲くのです。一見、おとぎ話のように聞こえますが、実は、灰を撒くという行為には、不思議な秘密が隠されていました。酸性の強い日本の土に灰を撒くと、酸とアルカリが中和して、植物に必要な栄養素であるリンの吸収がしやすくなるのです。
 
 
所のポイント花さか爺さんは灰を撒くことによって土壌改良をしていた!

 
 小学校の畑の土を改良するため、良い土を近くで物色する矢野さん。近くの雑木林の中に、良さそうな腐植土を発見しました。その土を触っているうちに、矢野さんは虫をたくさん発見!良い土には虫がいるもんです。でも、虫はいったいどんな役割を果たしているのでしょうか?そこで、1匹のアジを虫のいる良い土と、まったく生き物のいない土に埋めて、2週間後どうなっているか見てみます。アジが腐ってとてもクサイはず・・・ですが、あれ、ぜんぜん臭くない!?虫のいる土はアジが跡形も無くなっています。一方、虫のいない土ではほぼそのままアジが残っているのに加えて、とてもクサイのです。実は、虫のいない土では分解が進まないため、いい土とは言えないのです。その中でも特にミミズはすごく、分解するスピードや量もさることながら、分解されたフンは良い肥料になります。
 
 
所のポイント地球でミミズの体内を通っていない土はない!

 
ガンモ  水はけと水持ち、この相反する要素は、良い土にとっては両方とも必要なもの。水はけが悪いと根腐れを起こしてしまうし、水持ちが悪いと植物は十分に水を得ることが出来ません。しかし、どうすればその相反する要素を同時に持つことが出来るのでしょうか?実は、おでんやさんのガンモに秘密が隠されていました。ガンモのような適度に水分を含む物体がたくさん詰まっているような、構造が土にもあったのです。団粒構造と呼ばれるその構造は、水はけと水持ちのバランスがとれ、良い土の条件のひとつなのです。
 

 
自然・電波・エネルギー・鉱物編へ BACK NEXT

ジャンル別一覧日付別一覧

[目がテン!?ライブラリーフロントへ]