2回目でもおいしい!目がテン!?ライブラリー


金に勝つ!?輝く の謎  #489 99/07/11

 国宝であり、世界文化遺産にも指定された京都東山の銀閣寺。実は、今から500年前、銀閣寺が作られた当時、金閣寺に対抗して、銀閣寺に銀箔を張り巡らす計画があったのです!しかし、財政難で計画は頓挫。そこで矢野さんが立ち上がった!銀を極めて銀閣寺に銀箔を張るぞ!
 
 銀はここ数年、アクセサリとして若者の間でブームになっています。身の回りにも、フォークやナイフなど探してみると銀製品がいっぱい。しかし、銀の欠点といえば、金と違って簡単にさびてしまうこと。黒くなってしまうと、銀製品は台無しですよね。そこで、高級レストランでは、閉店後毎晩、銀食器を磨き上げているといいます。しかし、それはとても面倒。実は家庭でも簡単にできる銀のさびとり法があります!沸騰したお湯に少々の塩を入れ、銀製品をアルミホイルにくるんで10分煮立たせ、その後さらに10分待つだけ。それだけで、あ〜らきれい、さびは取れてしまいます。
 
 しかし、よく考えてみると、そんなめんどくさい銀が、西洋ではどうして古来から食器に使われているのでしょうか?実は、銀は昨今話題の毒、「ヒ素」とよく反応するため。銀を食器に使っていると、ヒ素を盛られたときに、食器の色が変わって、事前に危険がわかるというのですが、本当なのでしょうか?そこで、実際にヒ素を垂らしてみると、待てど暮らせど何の変化も起こりません。実は、昔のヒ素はともかく、最近のヒ素は純度が高く、銀とよく反応する硫化ヒ素がほとんどないためなのです。
 

 
 
所のポイント現代のヒ素は銀食器と反応しない!

 
 銀とよく比較されるのがやはり金。銀と金は金属としても微妙に違います。銀は金よりも少しだけ酸や熱に弱いのですが、電気や熱の伝導率は金属の中で一番なのです。しかし、銀の値段は金の値段のおよそ50分の1。とても安い!
 
 現在でこそメキシコやペルーなどが主な銀の産出国ですが、その昔は日本は世界最大の銀の輸出国だったのです。しかし、矢野さんが銀を求めていったのは鉱山ではなくフィルム会社。実は日本の銀の消費量の半分近くはフィルムで、しかもリサイクルがしっかり行われているのです。フィルム一本あたり0.2g、その多くは定着液に流れ出すため、そこからリサイクルが可能なのです。

 
 
所のポイント銀が最も多く使われているのはリサイクル可能なフィルム!

 
銀箔をぐちゃぐちゃにしてしまう矢野  金箔、とはよく耳にしますが、銀箔なんてあるのでしょうか。実は銀箔は工芸品などはもとより、薬などのコーティングによく使われています。銀は金に次いで薄く伸びる性質を持っているため、極限まで薄くして銀箔を作ることができるのです。そこで早速、矢野さんが銀箔づくりに挑戦。しかし、伝統の技の壁は厚く、鼻息でも飛んでしまう銀箔。金箔ほどでないにしろ、銀箔はわずか1万分の4ミリですからしかたがありません。
 

 
さびてしまった銀閣寺模型  銀箔を手に入れたら、後は銀閣寺にそれを張るだけ。ところが、銀閣寺は国宝なので、簡単には銀箔を張ることができない!矢野さん大ピンチ!そこで、精巧な模型に銀箔を貼ることに、ところが残念なことにアッという間にさびてしまいました…。
 

 
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