放送内容

第1381回
2017.06.25
下半身トレーニング の科学 人間科学

 今、体のある部分のトレーニングが注目されているんです!
 それは!下半身のトレーニング!下半身には、上半身より多い、全体の6割から7割の筋肉が集まっています。つまり下半身をトレーニングすると筋肉が増えやすいんです。
 今回の目がテンは、誰でもラクラクできる!?下半身トレーニングの科学です!

20代から衰える!?下半身の筋力チェック!

 筋生理学を研究する近畿大学の谷本道哉先生によると、「体を支えるために一番重要な下半身の筋肉は歳をとるとどんどん衰えてしまう」と言うんです。上半身にある腕の筋肉は20歳を過ぎ、年をとってもあまり変化がないのに対して、下半身の太ももの筋肉は20歳を境に減りはじめ、歳を重ねるとともにどんどん衰えてしまうんです。

 そこで!街ゆく人達の下半身の衰え度をチェック!用意するのは40センチの高さの椅子。腕を体の前に組み、足首の角度が約70度になるように座ります。この状態から体を前に倒して片足で立ち上がり、3秒間キープ。この片足立ち上がりが、左右両方の足でできないと、歩く機能の低下が始まっている可能性が。

 20代から60代、20人に調査したところ、45%が立ち上がれない!という結果に。片足立ち上がりができない人とできる人の下半身の筋肉の断面図を見てみると、太ももの太さはほぼ同じですが、片足立ち上がりができなかった人の方が筋肉が少なく、皮下脂肪が厚いことがわかります。

ポイント1

20歳を過ぎると衰え始める下半身の筋肉。しかも見た目ではあまり変化がないため、本人も衰えに気付かない場合があるのだ!

意外と知らない!?スクワットの正しいフォームとは?

 谷本先生によると、下半身を鍛えるには、トレーニングの王様とも言われるスクワットが、もっとも良いそうです。
 そこで、まずは正しいスクワットの方法を教わりました。ヒザを前に突き出すように曲げると、ヒザに負担がかかって痛めてしまう危険が。正しいフォームは、椅子に座るようにおしりを突き出し、体を前に倒します。谷本先生によると、立ち上がり動作で重要なのは、お尻とモモ裏の筋肉。

 そこで、下半身の筋肉に筋電図をとりつけ、正しいフォームと間違ったフォームの筋肉の動きをみてみると、間違ったフォームでは、太ももの前の筋肉は使われていますが、立ち上がりの動作に必要なお尻の筋肉は動いておらず、鍛えられていません。
 一方、正しいフォームでは、スクワットで鍛えたいお尻の筋肉がしっかりと使われていることがわかります。谷本先生は「立ち上がるときの動きと同じ動きをすれば立ち上がり動作自体も動きとして強くなり、それにあった筋力を鍛えられる」と解説。

ポイント2

下半身をきちんと鍛えるためには、正しいフォームのスクワットをすることがとても重要だったのだ!

誰でも楽々できる?目がテン流“カラオケスクワット”

 正しいフォームはわかりましたが、このスクワットをどんなふうに、何回行えばいいのでしょうか?
 立ち上がった時にヒザを伸ばしきらないよう、3秒かけて下げ、3秒かけて上げる「ゆっくりとした動き」のスクワットを10回行ないます。そのあと、素早いスクワットを5回。そして5秒休んで…素早いスクワットをもう5回。谷本流トレーニングでは、ゆっくりとした動きと素早い動きを組み合わせ、もうできない!というところまで筋肉を追い込むことで、効率よく効果的に鍛えることができるというんです。しかし、谷本流トレーニングはとてもキツイ!

 そこで目がテンでは、カラオケと組み合わせる「カラオケスクワット」を開発!
 目がテンのスタッフが、谷本先生のゆっくり10回、素早く5回、5秒休んでさらに5回というトレーニングに合う曲を徹底的に探し、見つけ出したのが、狩人の名曲「あずさ2号」。しかも、1番ではなく、2番がぴったりだったんです!
 モチベーション行動科学を研究する、東京未来大学・角山剛教授によると、「本来、筋トレというのはやらずにこしたことはない。でもやらないといけないという時に、『この歌を歌い終わるまではとにかくやってみよう』と、歌い終わることが主になり、それが目標になっている。筋トレはそれに伴う副次的なものになる」と、カラオケを歌いながらスクワットをすることで、ツラいスクワットを楽しくできる可能性があると解説。

 そこで、50代から60代の男女4名に目がテン流カラオケスクワットに挑戦してもらいました。このトレーニングは1日に2セット、1日おきに続ける必要がありますが、みなさん続けることはできるんでしょうか?10日後、ご自宅を訪ねてみると…なんと4人全員、挫折することなく、エクササイズを続けていたんです。

ポイント3

目がテン流カラオケスクワットなら、つらいスクワットがラクラク続けられる可能性があるようなのだ!