放送内容

第1497回
2019.10.20
ハッザ族 の科学③ 場所・建物 物・その他

 『所さんの目がテン!』放送30周年記念、タンザニア・ハッザの科学。今回で、金丸さんのハッザ生活も最終日!今回もハッザたちに同行して、狩猟採集生活を体験します。危険すぎる素手でのハチミツ採集や他民族との交流、ハッザに代々伝わる薬草探しなど、驚きの連続!最終日には、金丸さんとの別れの祭りも開いてくれました!最後まで見どころたっぷりです!

豪快!ハッザ流ハチミツ採り!

 朝7時。金丸さんが、ハッザの元へ行くと朝の日課である焚き火をしていました。今日は狩りではなくハチミツを採りに行くのだそうで、ハチが巣を作っているバオバブの木を探しに行くと言います。すると、ハッザの人達から「今日ヒヒを狩る夢を見た」という話や「今日、夢でハチミツを食べた」という話が。ハッザの人々も私たちと同様に夢を見るようで、夢に見るのは獲物や暮らしのことが中心のようです。
 ここでハチミツ採りへ向け出発!狩りとは違い、男女揃って向かいます。歩くこと1時間。乾期で干上がった川に到着。雨期には上半身まで浸かる程の水位になるそうです。川底の道を進んでいくと、アフリカを代表する巨木、バオバブの木が。

 この木にハチが、巣を作っていると言います。オノで幹に枝を打ち付け、足場を作りながら登っていきます。木の幹に開いた穴に出入りするハチたち。この中にハチの巣があるのは確実です。バオバブの木は成長とともに幹の内部が空洞になるのが特徴。その空洞にハチが巣を作るそうです。ハチミツ採りに欠かせないのは煙!煙を焚き、それを巣の中に入れると、ハチの動きが鈍くなるそうですが…。ハチたちは依然として飛び回っています。木に登っているハッザ男性は、明らかに刺されています。痛くないのか聞いてみると、「刺されて痛いよ!」と言いながら、そのまま作業を続けています。巣を作っていたのはセイヨウミツバチに近い種類。このミツバチは攻撃性が高いと言われていますが、ハッザの人たちは、刺されても平気なようです。ハチがいる穴に無防備に手を入れ、ハチの巣を取り出します。それを金丸さんに投げ、見事にハチの巣ゲット!

 アフリカのとれたてのハチミツ。舐めてみると、甘くて美味しい!たくさんのミツバチが飛び回るのをモノともせず巣を取り出していき、女性がそれを回収していきます。さらにハッザの男性が、木を切り落としてハチの巣を採ると言い出しました。そのままでは取りづらい位置にあるハチの巣。そのため、オノでバオバブの木の枝を切り落とし、ハチの巣を採るというんです。枝といっても巨大なバオバブを切り落とす、というハッザならではの発想。切り落とし作業開始から2時間が経過し、ついに直径80cmを超えるバオバブの枝が見事に切り落とされました!
 豪快に落ちたバオバブからは、怒ったミツバチたちが一斉に飛び出し、威嚇を始めます!しかし、ハッザはものともせず、オノで穴を切り広げ、素手で巣を取り出していきます。その様子を見ていた金丸さんですが、ハッザから巣をとるように言われ、素手でのハチの巣採りにチャレンジすることに!しかし、中には数百匹のミツバチが羽音をたてて威嚇しています。怖気づく金丸さんですが、ハッザの女性に強く叱咤され、意を決してハチの巣に手を突っ込みます!見事にハチの巣採りに成功!したと思いきや、「まだ残ってるじゃない!」と、ハッザ女性。全力で拒否する金丸さんですが、許してくれません。もう一度腹を決め、決死の覚悟でハチの巣を取り出します!金丸さんも体を張ったおかげで、バケツの中にはたくさんのハチの巣が!半日がかりでハチミツ採りが終了しました。

他民族との交流で鉄を入手!

 集落に戻り、採ってきたハチミツを巣ごとかき混ぜて潰していきます。すると、ハッザの女性からハチミツは弓矢の矢じりと物々交換ができるから、近隣に住むダトーガと呼ばれる民族の所に持って行くように言われました。ハッザにとってハチミツは、物々交換できる貴重なもの。弓矢の矢じりや鍋など、鉄製のものと交換してもらうんです。物々交換の現場を見るため、金丸さんもダトーガの元へ。するとハッザの一人が弓矢を構え、鳥を狙い始めました。鳥が飛び立つコースも予測して、1発で射止めることに成功!

 ハッザは、どんな時でも狩りを忘れないんです。ハッザの集落から歩くこと数時間。ようやくダトーガの集落に到着!遊牧民のダトーガは、ヤギなどを家畜として飼いながら生活を送っています。さらに、ダトーガは独自の鉄の加工技術を持っており、街で手に入れたくず鉄を独特の「ふいご」で温度を上げて柔らかくし、矢じりやアクセサリーを作って売っているんです。さっそく物々交換の交渉。ハチミツの質と量を確認してもらい、何本の矢じりと交換できるか見てもらいます。交渉の結果、ハチミツと矢じり8本との交換で成立!その他、生活に必要な塩などもダトーガから手に入れているそうです。
 集落に戻ってきた頃にはもう夜。他のハッザの人達は狩りに出ていたようで、今日は6羽のホロホロチョウを仕留めたそうです。この日は、直火ではなく、塩茹でにしたものと、トウモロコシの粉末をお湯で練って作るウガリと共にいただきます。一つの鍋を囲み、みんなで分け合って食べます。早速、金丸さんも一口。一緒に食べると肉まんのようで美味しい、と味覚もすっかりハッザに馴染んでいます。こうして食事を楽しんだ後は、就寝。今日も色々とやって、充実の1日でした。

ハッザ生活最終日!お別れの祭り

 最終日は、ハッザに代々伝わるという薬草探しに出かけます。歩くこと2時間。着いたのは、何度か来たエヤシ湖の近く。するとその時!ハッザたちが何かを見つけて走り出しました!必死についていく金丸さん。すると、集落のリーダー、ハントラさんが弓矢で何かを仕留めたようです。この数日で見慣れた光景。仕留めていたのはハトです。さらに、通訳兼ガイドのジョセフさんがなんとウサギを捕まえました!子どもの頃からハッザと遊んでいたというジョセフさん、さすがです。大切な食料となるウサギは、リーダーのハントラさんの腰に下げられ、薬草探し再開。
 歩くこと15分。ハッザの一人が目的のものを発見!見つけたのは、「ドロネア」というハッザ伝統の薬草。

 根っこをゆでて、その汁を飲むと風邪薬になるそうです。ハッザは、子どもの頃から薬草の知識を身につけるそうです。
 ここで意外な発見が!見つけたのはゾウの足跡!どうやらこの道をゾウが1頭で歩いていたようです。ゾウは、普段集団行動をしているのですが、1頭でいるゾウは気性が荒く危険なんだそうです。
 さらに歩くこと20分。ハントラさんが見つけたのは、「ウクペ」という植物。

 この根っこを茹でて飲むと胃薬になるといいます。噛んでみると、漢方のような味。その後も、枝を歯ブラシ代わりに使うという「タファコ」という植物や「シシエダコ」という木から出る樹液を体に塗りつけると日焼け止めになることなどを教わりました。聞くところによると、ハントラさんが一番薬の知識が豊富なのだそう。集落を守るリーダーが、病院や医者の代わりに、豊かな薬草の知識で人々を守ってきたといいます。
 集落に戻ると何やらみんなが集まっていました。そこには、全身をボディペイントしたハッザが。金丸さんも、ハッザ伝統のボディペイントをしてもらえることに。使うのは灰を水で溶かした絵の具。体に描く模様は、ハッザの伝統的な模様で、集落で一人前と認められた時など、特別なお祝いごとの時に描くものです。今日でハッザとの生活も最後。ハッザの仲間として認められた証しかもしれません。金丸さんのボディペイントが完成!この模様には、狩りがうまくなるように、という願いが込められているそうです。

 皆のところへ戻ると、歌を歌ってお出迎え。金丸さんとのお別れを惜しむお祭りが始まりました!足に鈴をつけてリズムをとりながら、みんなで金丸さんを囲い、男女関係なく輪になって踊ります。さらに時間が過ぎ、すっかり日も暮れてもお祭りは続きます。「さあここからが本番だ!」というハントラさんの呼びかけで人が集まり、一列に並びます。すると、みんなで一斉に歌いながら、腰を落とし、足だけで踊りだしました!狩りで足腰を鍛えぬいたハッザならではの踊り!金丸さんも必死についていきますが、すぐにヘロヘロに…。その後も夜通しお祭りは続き、金丸さんの1週間ハッザ生活は、にぎやかに幕を閉じました。