放送内容

第1559回
2021.01.24
人類はこう作った!丸木舟 の科学[Part2] 物・その他

 科学技術が発達し、便利な生活を送っている現代。しかし、そんな生活ができるのは、先人たちが様々な発見を積み重ねたからこそ!目がテン!が発明の原点に立ち返るこのシリーズ!人類はこう作った!ヨーロッパ企画の石田剛太さんが立ち上がりました!
 今回挑戦するのは、人類が作った最も原始的な船の一つ、木をくり抜いて作る丸木舟づくり。日本では、7500年前の縄文時代に作られた丸木舟が出土しており、これが日本で見つかっている最古の船。石田さんは、その当時の丸木舟の再現を石斧を使ってめざします。
 今回の目がテンは、人類はこう作った! 「縄文時代の舟の再現」Part2です!

縄文の石斧で杉の木を伐採!

 ここまで9617回の打撃を加え、ついに、巨木の中心まで切れ込みを入れることができました。木の直径は70cm。舟にしても十分人が座れる幅です。
 谷側半分が切れたところで、次に山側に切り込みを入れ始めます。ついに折り返し地点を過ぎ、握る石斧にも力が入ります。しかし、日が暮れ始めたため、最後までいきたい気を抑えて、作業は明日に持ち越しです。
 伐採3日目、まず木が倒れる方向の足場を崩し、安全を確保する作業から始まりました。最後に向けて一打一打丁寧に。そして、合計13000打撃。いつ倒れてもおかしくないので、全員が安全な場所まで下がり、ここからはプロの仕事。作業3日、13927打撃目のことでした。

 寝かせた木は、4m20cmぐらいに切りだします。使うのはチェーンソー。すると、1分もかからずに作業は終わり。文明の利器って素晴らしいですね。

石斧で縄文の船を再現

 ちょうどいいサイズにカットされた杉が運ばれたのは、富士五湖の一つ西湖。湖畔のキャンプ場に協力いただき、石斧で丸木舟作りに挑みます!引き続き指導してもらうのは、縄文大工の雨宮さん。ここからは更に大変な作業になるため、同じ劇団メンバーの酒井さんがお手伝いにきました。
 まずは、舟の底を決めること。木の断面をよく見てみると、実は真円ではなくてゆがんでいることが分かります。今回の木の場合は右側のカーブが緩くなっています。
 現代に作られたカヌーを裏返してみると、先端部分は絞り込んであるものの、船体の中央部分は上下に平べったい形をしています。これは舟の安定性を高めるため。なので、今回の丸太も、平らな方をそこにして使うことでより安定した舟になるのです。

 というわけで、まずは丸太をひっくり返します。丸太を舟に加工するためには、様々な工程があります。舟造りで丸太の完全に使わない部分を取り除き、その後、中をくり抜くことで人が乗れる空間を作るのと同時に、軽量化することができます。そして、全体の形を整えると、丸木舟の完成です。
 その時に大活躍するのが、クサビという道具。これは、木の枝をとがらせたもの。木の繊維の流れに従ってクサビを打ち込んでいきます。クサビを使うことで、木が一気に裂けて剥がれていき、短時間で加工することができました。

 クサビについて考古学者の山田先生に聞いてみると、縄文時代より前の旧石器時代にもクサビは使われており、縄文時代の人も使っていたといいます。しかし、木をえぐりとるクサビは縄文時代での遺跡では見つからず、弥生時代の遺跡からは、木を割るためのクサビが見つかるそう。
 雨宮さんは弥生時代の技術も習得しているので、効率よく作業を行う為にクサビの技術も取り入れます。
 不要な部分を剥ぎ取ったら、人が乗り込む部分をくりぬいていきます。そこで登場するのが、再び石斧!まず石斧でV字の谷をいくつも入れていき、掘った谷にクサビを打ち込むと大きく剥ぎ取ることができると言います。この作業を何度も何度も繰り返し、人が座れるだけの深さまで掘り下げていきます。
 一心不乱に石斧を振るった伐採開始から4日目、打撃は既に27044回を数えていました。

 西湖に沈む夕日と共にこの日の作業は終了です。

新たな技術!深く掘れる横斧!

 伐採作業から5日目。石斧とクサビで剥ぎ取る作業が続きます。クサビは、底になる部分は年輪に沿うように打ち込み、サイドは年輪を断ち切るように打ち込みます。

 この時もしも、船のサイドが割れてしまったら、全てが台無し。大胆さと繊細さが要求される難しい作業です。その後も順調に作業は進み、この日だけで11800回の打撃を加えました。
 しかし翌日、時間が経つに連れ、作業効率が落ちてきて、これまで通りに木が削れません。
 すると、雨宮さんが新たな技術を教えてくれました。
 今まで石田さんたちが使っていたのは、柄に対して刃が縦についた縦斧。木の繊維を直角に断ちきっていました。構えるのは丸太に対して直角。しかし、深くなってくると、柄が当たってしまうという不都合が。そこで、登場するのが刃が柄に対して横についている横斧。
 新しい道具横斧を手にした石田さん、効率アップです。
 すると、芯が見えてきました!

 これで半分まで掘れたということです。
 その後も、縦斧・横斧・クサビを上手に使い分け、人が座れる深さまで掘り下げます。
 形が見えてくると、2人の作業スピードはアップ。
 伐採開始から9日目。深さ39cm!ほぼ完成時の深さまで掘り下げました。

 ここまでの打撃回数は、トータルで94,539!