放送内容

第1563回
2021.02.21
瞬間ハンター・四万十川 の科学[後編] 場所・建物 自然・電波・鉱物・エネルギー 水中の動物

 様々な条件が重なった時にのみ起こる美しい自然現象や、人が作り出す珍しい現象。そんなレアな現象の瞬間を撮影する“瞬間ハンター”。
 瞬間ハンター金丸慎太郎さんが今回、訪れたのは、四万十川。
 四万十川には、多種多様な生き物が生息しており、前回は、伝統漁の火振り漁で、鮎を捉え、そして貴重なだるま夕日の撮影に成功しました。そして、今回は、冬だけ見られる貴重な瞬間をハント!さらに!四万十川に棲む、幻の巨大魚のハントにも挑戦!
 今回の目がテンは、貴重な瞬間を狙え!瞬間ハンター、四万十川、後編です!

幻想的!シラスウナギ漁!

 深夜0時。金丸さん、貴重な瞬間を狙うためシラスウナギ漁に同行します。この冬の時期、海から四万十川にやってくるシラスウナギの漁の最盛期なんです。
 四万十川での漁の方法は、集魚灯を使い、川に光をあて、それに集まってくるシラスウナギをタモ網と呼ばれる袋状の網ですくっていきます。
 近年、漁獲量が減少しており、資源保護のため、許可を持つ漁師さんしか漁ができず、1匹ずつ、シラスウナギを網ですくっていきます。

 ということで、金丸さん、同行し、漁を見させてもらいます。すると、河口付近には、たくさんのシラスウナギ漁をする船がいます。
 そして、いよいよ漁の開始。まずは集魚灯を川の中へ。あとは、タモ網を用意し、光に集まってくるシラスウナギを待つのみ。
 光に誘われ、小さな魚が集まってきていますが、鮎の稚魚ばかり。

 そして、待つこと20分。金丸さん、シラスウナギが泳いでいる貴重な瞬間をハント!

 しかし、貴重な瞬間はこれだけではないんです!このシラスウナギ漁の様子を高台から見てみると、漁船が、真っ暗な水面に光を反射させ、幻想的な光景を見せてくれます。
 人と自然が作り出す幻想的な瞬間をハントできました!

幻の巨大魚釣りにチャレンジ!

 金丸さんが狙う、瞬間ハントは、四万十川に生息する、幻の巨大魚。
 まずは、その巨大魚を釣ったことのある佐田明生さんを訪ね、実際に巨大魚をについてお話を聞きました。
 四万十川の巨大魚とは、一体、どんな魚なのか。まずは、その姿を確認するためにその巨大魚を展示している水族館にいってきました。幻の巨大魚とは、アカメ。

 大きさはおよそ1メートル、まさに怪魚。
 海水と淡水が混じり合う汽水域に生息するスズキの仲間で、日本三大怪魚の1つとされています。このアカメ、高知県と宮崎県など、ごく限られた水域のみにしか生息していない、とても希少な種なんです!
 宮崎県では、捕獲が禁止されているのですが、高知県では、ルールを守れば釣りをすることが可能!ということで、金丸さん、幻の巨大魚アカメ釣りにチャレンジします!
 実は今回、アカメを釣るために釣りのプロに教えてもらい、事前に練習をしていたんです!アカメはスズキの仲間なので、千葉県の川で、スズキ釣り。ルアーを投げるキャスティンングやルアーの動かし方など、基礎をみっちりと身体に叩き込みました。

 そして、アカメ釣り1日目。地元のアカメ釣り名人、佐田さんに釣れる時間帯や誘い方など、アカメ釣りの極意を学びます。
 時間帯は、満潮、干潮の前後1時間、昼間でも釣れるのですが、夜行性のため夜が特にいいとのこと。さらに、佐田さんに狙い目のポイントを教えてもらいました。
 早速、釣りを開始!練習をしたかいもあって、キャスティングも、ルアーの動かしかもなかなか様になっています!この日は休憩をはさみ、夜7時から、釣りを再開。しかし、幻と言われる魚、そう簡単には釣れません。
 アカメ釣り2日目。この日も、満潮と干潮のタイミングを狙い、朝9時から釣りを開始。四万十川でとれるツガニの塩茹でを食べ、英気を養います!そして、夜。気温1度、寒い中、ひたすらキャスティング!すると、あたりがあったというんです!これはもしかしたらもしかするのでは!しかし、この日も釣れませんでした。翌日に期待です!
 そして、3日目。この日も投げる、投げる、投げる。金丸さん、真剣に釣りをしています。途中、四万十川でとれるテナガエビを食べ、休憩しつつ夜まで粘りましたが、この日も釣れず。こうして、釣りをすること6日間。これまでキャスティングをした回数は700回以上。そして、7日目。アカメ釣りの最終日を迎えましたが、釣果ゼロ。幻の巨大魚ハントならずでした。

貴重な天体現象をハント!

 貴重な天体現象をハントするため、向かったのは四万十天文台。狙うのは、3大流星群の一つに数えられる、ふたご座流星群。
 四万十川が流れる四万十市は、昭和63年に当時の環境庁から「星空の街」と認定されるほど、星がキレイに見られる町。その四万十市で、ふたご座流星群をハントします!

 そもそも流星群とは、流れ星が流れてくる方向にある星座の名前が付けられます。今回の場合は、ふたご座の方向から流星がたくさん見られるのでふたご座流星群という名前がついています。地球が、彗星の通り道に残ったチリの帯を通過するとそのチリの粒が大気圏で高温になり発光し、多くの流星が発生します。これが流星群。

 流星群を見るには、空の広い範囲が見える場所で、安全で寝転がって見られる場所がいいといいます。
 ということで、街灯が少ない、開けた、四万十川ぞいの河原で撮影を行います。
 午後10時。いよいよ、観測スタート。ふたご座も見やすい位置に上がり、雲も少なく条件はそろっています。
 待つこと、10分。まずは一つ目の流星。さらに!3連続で見ることが出来ました。そして、朝まで観測し続け、合計26個の流星をカメラに収めることが出来ました。

 さらに、天体の貴重な瞬間を狙ったのはこれだけではないんです。
 12月21日。この日は、およそ400年ぶりに木星と土星の大接近を観測できる日。木星と土星は地球から見たときに20年ごとに同じ方向に並ぶのですが、これほどまで大接近するのは1623年以来、およそ400年ぶりなんです!

 次にこれほどまで近づくのは60年後という、とてもレアな現象!チャンスは1日。しかも日が沈んでからの2時間のみ。天候は晴れ、見られるチャンスは十分にあります。
 日が落ちるのを待ち、まずは、肉眼で空を見てみると、はっきりと、木星と土星を見つけました!そして、天体望遠鏡とカメラで、その姿を捉えます!
 こちらがおよそ400年ぶりに見える瞬間!左の明るい星が木星。そして、その右上にあるのが土星。輪があるので、楕円に見えています。小さい光は、木星の衛星。貴重な天体現象をとらえることができました。