#783 『伊丹 武道の街の音』(19/6/30 放送)

兵庫県 伊丹市

伊丹は酒造業で栄えた町。そんな伊丹は、江戸時代中頃は、公家の領地で武家が統治していませんでした。酒造業で栄えていたまちの治安を懸念した地元の酒造家が、道場を開設し、町人に武道を奨励したのが、修武館の起源。床下に甕があり、踏み込むと音が反響します。現在、伊丹は特に薙刀の普及に大きく貢献し、「薙刀(なぎなた)の街」とも言われます。

#783

■ DIRECTOR'S COMMENT

最初は薙刀をテーマに企画していましたが、現地でお話しを聞いたり、色々調べているうちに、「伊丹」と「武道」全般の深い繋がりを知り、歴史の濃さを実感しました。 伊丹は、当時、公家の領土だったため武士が統治しておらず、酒造業でかなり栄えていたのもあり、強盗など悪い輩が現れるのを心配して、街の政治も担っていた地元の酒造家が道場を設けたのが「修武館」の原型の起源とのこと。いろいろな武術の先生を道場に招聘して、街の自衛のために町人に武道を推奨したり、先生が町に居座ることで、町の用心棒のようになっていたと聞きます。明治維新や戦争などで、日本の古武道の継承は一気に衰退していったと聞きますが、伊丹では特に現代武道として「なぎなた」の普及に大きく貢献し、継承にも力を入れており、今でも武道の稽古の音が聞こえてくる街です。(森野好)

■ ACCESS

大阪国際空港から修武館まで車で約20分

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