#880 『表具師 裏打ちの音』(21/5/16 放送)

東京都 墨田区

東京には「江戸表具」と言われる伝統技術があります。表具は仏教伝来と共に経典の表装技術として伝わったと考えられています。以後、床の間の発生や茶道の興隆により需要が増え、江戸時代には上流社会の必需品となっていきました。その技術は、軸装を主とし、天井・壁・画帖・屏風・襖などの装丁や修復など幅広い技能を要求され、裏打ちや裏摺りなど様々な技術があります。街の片隅から下町らしい粋な音が聞こえてきます。

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■ DIRECTOR'S COMMENT

表に「表具師」と書かれているこちらの仕事場は、なんと墨田区の博物館にも指定されています。親方の前川さんはお父様から稼業を継ぎ、歌舞伎界のご縁も受け継がれたこともあって、勘太郎さん(現・勘九郎さん)や吉右衛門さんなどの押隈(いわゆる顔拓)があちこちに飾ってありました。昔ながらの伝統工芸士さんは歴史ある芸能とも繋がりがあるんですね。昔はそばにあった相撲部屋とも仲良くされていたそうです。さて、そんな話で盛り上がる親方のお話、途中途中に入る江戸弁がとても格好良く、撮影に関してもスパッとしたご性格が見えて来て、緊張感のある気持ちの良い撮影となりました(ありがとうございました)。さらに、この放送日が親方のお誕生日だったとの事!撮影した方としても、なんとも嬉しい限りの放送回となりました。(村上宗義)

■ ACCESS

森下駅から江戸表具まで徒歩で約3分

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