#890
『川廻しトンネルの水音』(21/7/25 放送)
千葉県 市原市
千葉県には川廻しと呼ばれる川のトンネルがたくさんあります。「川廻し」とは、主に上総地方南部の丘陵地を流れる河川で、江戸時代以降、新田開発を念頭において行われた曲流河道の曲流短絡工事。クネクネと曲がっている川を、隧道(ずいどう)や開削でショートカットし、川であった所を水田にするもので、およそ450箇所以上も作られたといわれています。その中でも、市原市の廃校・旧平三小学校の下にある川廻しは長さがあり、トンネルの反対側から差し込む太陽光などが幻想的な風景を醸し出しています。伝統的な音が聞こえてきます。
■ DIRECTOR'S COMMENT
千葉県市原市の「川廻し」と呼ばれる少し変わった水の音を撮影しました。曲がりくねった川をショートカットするためにトンネルを掘って通過させる工事で、トンネルの中と外では川音の違いが明確に分かります。静かな川音が中では轟々と響き渡る、江戸から明治時代に作られた先人のアイデアから生まれた音風景が今も残されています。何気ない風景の中にも様々な音が生まれている事に気づかされた撮影でした。(亀井清行)
■ ACCESS
上総牛久駅(小湊鉄道)から旧平三小学校まで車で約25分
